記事登録
2007年10月16日(火) 03時02分

<力士急死>検視官に出動要請せず…愛知県警犬山署毎日新聞

 大相撲時津風部屋の序ノ口力士、斉藤俊(たかし)さん(当時17歳)=時太山=が急死した問題で、斉藤さんの死亡当日に遺体を調べた愛知県警犬山署が、事件性の判断を専門とする県警捜査1課の検視官に出動を要請せず、検視官室へ報告のため遺体の写真の電送だけを行っていたことが15日、分かった。検視官が写真を見たのは遺体が部屋に返された後だったといい、検視官はこの写真から、傷をけいこでできたと考えて矛盾はないと判断したという。

 同署の長尾富士夫副署長は「初動捜査は適切だったと考えているが、今後さらに慎重を期したい」と述べた。一方、県警本部の幹部は「現場の判断は尊重したいが、結果論とはいえ誤検視はあってはならないことで、慎重さが必要。検視官を呼ぶなど大きく構える必要があったと思う」と指摘している。

 (1)病院が死因を急性心不全と診断した(2)前親方らは「激しいぶつかりげいこ中に倒れた」と供述しており、遺体の状況とも矛盾しない−−などの理由から、事件性はないと判断。検視官の出動を要請しないまま同5時半ごろ、遺体を部屋に返したという。検視官が遺体を写真で確認したのは同日夜で、傷の状況と犬山署員の事情聴取の内容などから、けいこでできた傷として矛盾はないと判断したという。

 一方、同市内の病院が斉藤さんの死因を「急性心不全」と診断したことについて、県警幹部は「CTもレントゲンも撮っており、けいこ中の急死という事情もあって難しい面もあった」などと話した。【米川直己】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071016-00000012-mai-soci