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2007年10月16日(火) 14時51分

建設業者を聴取へ、熊取町営住宅建て替え巡り談合容疑朝日新聞

 大阪府熊取町発注の町営住宅の建て替え工事をめぐり、入札参加業者が談合を行っていた疑いが強まり、大阪府警は近く、町内の建設会社幹部ら数人を競売入札妨害(談合)容疑で事情聴取する方針を固めた。工事は町の重点施策と位置づけられ、落札価格が事前に町が設定した予定価格に極めて近いなど不透明な点があることから、府警は談合に町側が関与した官製談合の疑いもあるとみて、慎重に捜査を進めている。

 捜査2課などによると、談合の疑いが持たれているのは、町北部の大原地区周辺で実施中の町営住宅約90戸の総建て替え工事のうち40戸分にあたる2期工事の入札。06年8月22日に指名競争入札の形で行われ、いずれも町内に本拠がある建設業者5業者が参加し、1回目の入札で落札業者が決まった。

 入札参加業者の一部が共謀して、落札する業者や各業者の入札額などについてあらかじめ談合した疑いが持たれている。

 落札価格は6億3千万円だった。町が設定した予定価格の6億5700万円に近似しており、落札率は95・89%だった。さらに落札業者をのぞく4業者の入札額はいずれも予定価格を上回るなど不透明な部分があり、府警は町側から何らかの情報が漏れていた疑いを強めている。

 工事は04〜09年の計画で工期を3区分して実施しており、木造平屋建ての住宅をエレベーターなどを完備したバリアフリー対応の鉄筋コンクリート5階建て規模に建て替える。町は総工費約20億円を見込み、98年策定の町新総合計画の重点施策に位置づけている。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200710150083.html