記事登録
2007年10月15日(月) 14時31分

長野の宗教法人、女性リンチ死容疑で捜索…21人に逮捕状読売新聞


「紀元会」の総合会館に捜索に入る長野県警の捜査員(長野県小諸市で)

 長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の女性会員(当時63歳)が9月、同会施設内で集団リンチを受けて死亡した疑いが強まり、県警は15日、小諸署に捜査本部を設置し、傷害致死容疑で同会施設3か所を捜索した。

 捜査本部は、同会幹部を含めた女性会員21人について同容疑で逮捕状を用意、関与の度合いなどについて事情を聞いている。県警は当初、「自宅で殴った」とする家族の自供に基づき、いずれも同会会員の家族4人を逮捕したが、自供は集団リンチを隠すためだったとして同会の強制捜査に乗り出した。

 死亡したのは、同市荒町、すし店経営奥野元子さん。調べによると、会員らは共謀して、9月24日夜から25日未明にかけ、会合が開かれていた同会施設で元子さんを踏みつけるなどの暴行を加えて、外傷性ショックで死亡させた疑い。元子さんは、会合で「態度が悪いのに改まらない」などと批判されたという。捜査本部は、会合に参加していた幹部による指示の有無についても調べている。

 元子さんは25日、長女の無職森久里子容疑者(37)らによって病院に運ばれた。森容疑者や、元子さんの夫のすし店従業員奥野和宏容疑者(35)ら家族4人が、「自宅で(元子さんと)けんかになり、殴ったらぐったりした」などと供述したため、県警は4人を傷害容疑で逮捕し、同致死容疑で送検した。その後、家族が施設内での集団リンチを供述した。

 宗教法人登記によると、紀元会は神道系宗教団体で1970年に設立された。県外にも支部があり、捜査本部は会員数を100人以上とみている。関係者によると、同会は月2回ほど施設で集会を開いていたほか、「紀元水」と呼ばれる飲料水を会員に分けていた。近所の住民らによると、以前は毎年8月に「紀元水夏まつり」として市内にみこしを繰り出していたが、3、4年前から行われなくなったという。

 同会施設は小諸駅の北東約1・5キロの住宅地にある。施設は「総合会館」を中心に数か所に分散し、神社風の建物、高さ5メートル以上の大鳥居などがある。傷害致死事件の現場とみられるのは、総合会館の北約100メートルにある4階建ての建物。

 県警は、多くの会員の事情聴取を含めて捜査員400人の体制をとった。総合会館には午前8時過ぎ、段ボール箱を抱えた捜査員らが次々と入った。近所の飲食業男性(47)は「出入りしている信者は薄い緑色の服を着て、地元の人とあまり接触したがらない感じだった。こんな事件が起きて、いい気持ちはしない」と話していた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071015i101.htm