記事登録
2007年10月15日(月) 14時57分

ダイエーオリジナルパンのカビで腹痛被害に遭いましたMyNewsJapan

 ダイエー南行徳店で販売されたすしのネタが、賞味期限切れだった事件が起きた矢先、今度は、ダイエー鴨居店で購入したオリジナルパン「セービング エブリデーブレッド」(角形パン)を食べた男性が先月、腹痛を起こしたことがわかった。

 9月19日朝7時半頃、エブリデーブレッドをトーストして食べた福本健二さん(仮名)は3時間後、吐き気、激しい腹痛、下痢を起こした。パン以外に摂ったのはコーヒーだけ。14日に購入したパンの消費期限は17日だったが、買って冷蔵庫で保管していた。

 14時頃にダイエーのお客様相談室に電話すると、「他店にても不具合が出ていて、16日に全店に棚から撤去するように指示が出ています」と言われ、残り2枚のパンを見てみると、耳の部分に白い斑点を見つけた。

 その事実を知った福本さんは、鴨居店の責任者に「自宅まで来るように」と要請すると、副店長とデイリー担当者がやって来た。その後15時頃、ダイエーの人同伴のもと、内科の医院で血液検査、腸のレントゲンを撮影。腹部の膨満感があることを伝えた。食中毒だとは明言されなかったが、昼食を摂っていないので原因は朝のパンが疑わしいとの診断だった。

 治療費約4,000円はダイエー側が負担。残っていたパンをサンプルとして渡し、検査の依頼をした。プライベートブランドのパンは、木村屋総本店の埼玉県三芳工場にて製造されたものだとわかったが、パッケージにはそのことは書かれていなかった。

 翌日20日、木村屋総本店本社に電話してみると、製造時に空気を挿入するラインの送風口の汚れが疑わしいとのことで、「現在、朝霞保健所の指導の下、原因究明に奔走していてコメントできない」と説明された。

 ダイエーから一向に動きはなかったので、福本さんは26日に電話をしてみた。

−−(全店に棚から撤去するよう指示を出した)16日の時点で社告していれば、私は被害に遭わなかったかもしれないのでは? この件は公表しないのか?

 「社告などで公表するつもりはございません」

−−健康被害が出ているのに公表しないのは、「食の安全」が叫ばれている中で隠蔽ではないか?

 福本さんがそう言って詰め寄ったが、聞く耳を持たなかった。

 「かなりグレーな部分を隠蔽しようとするダイエークオリティーだと思った」と福本さん。また、「鴨居店では詫び文がパンコーナーに掲示されていたが、"事故"という文言で"カビ発生"とはなかった」という。

 『結果が出次第連絡する』と言われ返事を待っていたところ、10月3日ダイエーから電話で説明があった後、詫び文が送られてきた。分析調査の結果、食品に生える代表的なカビで、食中毒を起こすサルモネラ、大腸菌などは検出されなかったと説明されていた。他店舗で発生した件も同様の結果だった。原因は調査中。代替え品に代えて、ダイエーお買物券も一緒に送られてきた。

 この件で、ダイエーに聞いてみた。ダイエー鴨居店のパン売り場の人によれば、「安全性が確保されるまでエブリデーブレッド角型パンの発売は未定」と言う。だが、ダイエー側からあったパンの分析説明は、9日の時点で現場には伝えられていないようだった。

 お客様相談室では「お待ちください」と電話口でかなり待たされたので、窓口にパン問題は伝わっていないと感じた。今回のパンの販売中止のことは店頭だけではなく、お寿司問題のように、自社のHPなどで伝えないのか聞いてみたが、「しないと思います」との返事。ある消費期限につくられたパンで、それもひとつの工場で起きた問題で他では関係ないというのが、積極的に伝えない理由のようだ。店頭告知で十分、ということらしい。

 「検査結果はカビであることが確実になったのだから、なおさら社告すべき」と福本さんが言うように、16日の時点で社告していれば、彼も被害に遭わなかったかもしれない。


【関連記事】
ダイエーオリジナルパンでカビ、腹痛被害 全店撤去も「社告出すつもりない」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071015-00000000-mnj-soci