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2007年10月15日(月) 10時05分

ノラ電波を勝手に使ったら何かの罪に問われるの?R25

外出先でのこと。持っていたノートパソコンを開くと、あれれ? 屋外なのに、接続できるワイヤレスネットワークがあるっていうじゃないの。どうやら近くのオフィスか個人宅で利用している無線LANの電波をキャッチしちゃったみたい。しかも、パスワードがかけられていない、いわゆるノラ電波だ。ここはちょっと失礼して、つないじゃおうっと…。

いきなりですが、さて、こんなとき、罪に問われると思います?

いくらパスワードがかかってなかったとはいえ、他人のネットワークに土足で上がり込むようなもの? しかも、不正アクセス禁止法っていう法律もあるくらいだからなぁ。でも、ノラ電波を利用して捕まった、なんて話は聞いたことがないし。今後のためにも知っておきたいところだけど、本当のところはどっちなんでしょう?

そこでインターネットにまつわる事案を数多く手がけている、紀藤正樹弁護士に聞いてみることに。すると、「いや、別に罪にはならないですよ」と、予想に反してあっさりとしたお言葉。

「それはパスワードをかけない方が悪い。誰でもつなげる状態なら、それは一般にアクセスポイントを開放しているようなものですよ。不正アクセス禁止法というのは、パスワードなどセキュリティを破ってアクセスしたり、サーバーを攻撃した場合などに、適用されるんです」(紀藤弁護士)

つまり、使われたくないのなら、自分でちゃんとセキュリティを強化せよってこと。ごもっともです。

では、逆にどうやって無線LANのセキュリティを強化するのかというと、考えられるのは当然、パスワードを設定すること。そして、MACアドレスフィルタリングの設定や、SSID(ESS-IDと呼ぶ場合も)の変更は最低限やっておきたいところ。

MAC(Media Access Control)アドレスというのは、ネットワーク機器(LANカードなど)に記録されている識別番号で、世界中どこを探しても、同じ番号が存在しないようになっている。だから、アクセスポイントにあらかじめ通信できるMACアドレスを登録しておけば、それ以外のMACアドレスを持つ機器からの接続を拒否することが可能というわけ。要するに接続を認められた特定のPCからしか、アクセスできなくなるのだ。

SSIDは、無線LANを識別するための識別名で、同じSSIDが設定されているアクセスポイントとパソコン間でのみ、通信が可能になるというもの。初期設定が、「空欄」あるいは「any」と、オープンな状態になっているケースも多いので、これを任意の文字列に設定し直して、クローズド状態にする必要がある。

ただしこれらのセキュリティを施しても、100%不正なアクセスを防げるわけではない。無線LANは、有線でつながないので、確かに便利。でも、ノラ電波を勝手に使えてしまうことからもわかるように、不正にアクセスされる危険が当然増える。とどのつまり、無線LANはそのリスクを理解したうえで利用すべきなのである。

ちなみにノラ電波にアクセスするだけでは罪にならないが、そこにある個人情報を改ざんしたりすれば、損害賠償の対象になるので、ご注意を。
(R25編集部)

ノラ電波を勝手に使ったら何かの罪に問われるの?の詳細情報

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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