宗教法人「紀元会」幹部を傷害致死容疑で逮捕へ 長野（サンスポ）
宗教法人「紀元会」の施設へ家宅捜索に入る長野県警の捜査員＝１５日午前８時６分、長野県小諸市
長野県警により家宅捜索を受けた宗教法人「紀元会」の施設＝１５日午前７時、長野県小諸市
長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の会員ですし店経営奥野元子さん（６３）が、同会施設内で集団で暴行を受け死亡していた疑いが強まり、長野県警は１５日、傷害致死容疑で女性幹部ら十数人に任意同行を求め、事情聴取を始めた。容疑が固まり次第逮捕する方針。
県警は同日午前、紀元会本部など数カ所の家宅捜索を始めた。
県警は同日、捜査本部を設置。傷害致死容疑で９月に逮捕、送検した奥野さんの家族４人（紀元会会員）は当初、自宅で奥野さんに暴行したと供述していたが、その後の調べで暴行は紀元会施設内で行われ、同会幹部らもかかわった疑いが浮上。宗教上の儀式などとのかかわりも含め調べている。
事件は９月２５日未明、小諸市内の病院から「運ばれた女性が死亡し、体に殴られたようなあとがある」との通報が小諸署に寄せられ、発覚。奥野さんの顔や体には複数の打撲痕があった。
家族４人は自宅で暴行したと話したため、小諸署は同日、傷害容疑で夫や娘ら４人を逮捕。司法解剖の結果、けがと死亡の因果関係が深まったことから、傷害致死容疑に切り替えて捜査を進めていた。４人は家族間の不仲を犯行の動機に挙げていたという。
供述に不自然な点があり、４人を追及したところ、うその供述をするよう紀元会幹部の指示があったことを認めたという。同署は１０月５日、４人のうち２人を証拠隠滅の疑いで再逮捕した。
紀元会は１９７０年に設立された神道系の宗教法人で、本部は小諸市、舟橋元博代表。
★早朝、騒然とする住宅地 長野・小諸
長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の本部には１５日午前７時前から、約１２０人の県警捜査員が集結。小高い丘の上にある静かな住宅地は早朝から、騒然とした雰囲気に包まれた。
「大和神社神司庁」などと黒地に金で書かれた看板を掲げた白い３階の建物。捜査員らが列を組んで玄関から入ると、紀元会側が捜索を拒む場面もあった。
近くに住む主婦（５９）は「朝６時ごろ、周囲が騒然となってきた。本部には京都や広島ナンバーのバスが来て集会をやっていた。大きなトラブルは聞いたことがない」と驚いた様子だった。