記事登録
2007年10月14日(日) 07時51分

赤福に苦情殺到 「このまま食べて大丈夫か」朝日新聞

 赤福(三重県伊勢市)が商品の「赤福餅」の製造日を偽装した問題で、同社は13日から製造・販売部門の従業員ら約360人を自宅待機にした。本社には問題が発覚した12日から「商品をこのまま食べて大丈夫か」「返品したい」などと苦情が殺到し、社員が24時間態勢で対応。本店などは休業を続けている。

 JR伊勢市駅近くでは13日、100年以上続く伝統の祭り「伊勢おおまつり」が始まった。赤福は別の餅菓子屋などと共同で「伊勢の名物おおまつり茶屋」を出す予定だったが、「ご心配、ご迷惑をかけたので自粛する」として、出店を取りやめた。例年は社員らを会場の設営ボランティアとして派遣していた。

 同社の浜田益嗣会長が江戸時代の町並みを再現して赤福本店前に93年に開設した「おかげ横丁」では、この日から「おかげの市」という催しが始まった。週末を利用した観光客で午前中からにぎわい、出店者らはほっとした表情を見せた。

 本店の隣で、赤福の関係会社の和菓子店を営む女性(53)は、赤福餅が買えずに残念がる客に「社員総出で信頼回復に努めます」と頭を下げ続けた。ただ、散歩で赤福本店前を通りかかった近くの男性(71)は「不正なことで長年もうけたとしたら腹が立つ」と顔をしかめた。

 玄米を使った餅やジャムを売る店を出店して3年目という西口克子さん(55)は「赤福本店の休業は寂しいが、お客さんの目的は伊勢神宮へのお参り。例年通りたくさんきてくれてよかった」と胸をなで下ろす。近くに住む女性(72)は「にぎやかな横丁を歩くのが好きだから寂れては困る。赤福が早く再開するのを心待ちにしている」と期待を寄せた。

http://www.asahi.com/national/update/1014/OSK200710140001.html