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2007年10月13日(土) 15時38分

L&G、会員に勧誘競わせ半年で百億円 元幹部が証言朝日新聞

 健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区)による出資法違反容疑事件で、同社が昨年下半期に「チャレンジGA」と称する会員勧誘キャンペーンを実施し、上級会員を目指す会員同士を激しく競わせた結果、半年で100億円以上を集めたと複数の同社元幹部が証言した。警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部は、同社がこうした手法で被害を拡大させたとみて、幹部らを任意で事情聴取して経緯を調べている。

 L&G関係者によると、同社は、健康布団などの物品販売で紹介料を取り入れ、実績に応じて6段階のランクを設けていた。「100万円を預けると年利36%」とうたった「協力金」などの投資商品でも数年前、多数を紹介した上級会員の「GA」と一般会員に区分。GAには、月約100万円の報酬を与えるなど厚遇した。GAは当初、全国でも50人足らずしかいなかったという。

 会員勧誘キャンペーンは「チャレンジGA」と名付けて昨年7月から半年間実施。3カ月以内に100人以上かつ3000万円を超す出資を新規に勧誘すれば、無条件でGAの待遇を与え、疑似通貨「円天」を年間1440万円天支給するとうたった。この好条件のため、キャンペーンには全国から会員が参加。激しい勧誘活動を展開し、約80人が条件をクリアして、GA待遇を得たという。複数の元幹部が「100億円以上は集まった」と証言する。

 この際、GAには営業担当役員が都道府県ごとの「実績」をメールで送信。波和二(なみ・かずつぎ)会長も「多い人は1人で2億円以上集めた」「金を集められないGAには辞めてもらう」と繰り返し発言し、競わせたという。

 同社元幹部は「GAは下に多くの会員を抱えている。辞めさせられたら、自分が紹介した親類や知人の金まで戻らなくなる。そうした状況が被害を広げた」と話す。

 同社は今年1月、「協力金」の配当を現金から円天に切り替えると決定。5月末には、月利1%をうたう「円天共鳴金」という新たな資金集めを始めた。そのころにはすでに破綻(はたん)状態にあったとみられ、この前後から辞職する幹部が相次いだ。

http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY200710130151.html