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2007年10月13日(土) 12時07分

「大好きだったのに…」 「赤福」製造日偽装、三重県民ら落胆の声中日新聞

 【三重県】「伊勢名物」として三重が全国に誇ってきた土産物への信頼が、大きく揺らいだ。「赤福餠(もち)」の製造年月日の偽装が明らかになった12日、県内の駅や百貨店などの店頭からも消え、県民からは「大好きだったのに…」と落胆の声が相次いだ。主力商品を突然失った店員らも戸惑うばかりだった。

 「1日数十箱は売れる人気商品だったのに」。松阪市のJR松阪駅構内にある売店の女性店員(46)は「5つぐらいまとめて買うお客さんもいる。赤福とは付き合いも長く、残念としか言いようがない」と言葉少な。製造販売する「赤福」(伊勢市)から連絡を受けて午前中に撤去したが、近くの本店には「売ってほしい」と電話が直接かかってきたという。

 津市の津駅東口にあるキヨスクも早朝に約50箱を仕入れたが、開店前に店頭から撤収。店の入り口には販売中止を知らせる紙が張られた。

 1日の売り上げの5−6割を占めていただけに、男性店員(59)は「偽装は日常的に当たり前になっていたのかな。キヨスクで働いて40年になるけど、こんなことがあるなんて」と絶句。「参拝客が多い正月までには販売を再開してほしい」と話していた。

 津駅前で偽装を報じる新聞を買った津市の会社員女性(55)は「小学生の孫娘が大好きで、月2、3回は買っていた。今まで食べていた赤福も大丈夫だったのか心配」と不安がった。

 四日市市の中部近鉄百貨店でも、赤福側からの連絡で朝から販売を自粛。赤福餅が置かれる予定だった場所は、ほかの店が詰めて使用した。

 毎日ほぼ完売するほどの人気商品。同店の担当者は「事実関係がはっきりするまでは販売を見合わせざるを得ないが、地元が誇る人気商品だけに残念」。近鉄四日市駅にいた女性は「他県に行くときの手土産として喜ばれる商品なのに…。裏切られた思い」と憤っていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071013-00000012-cnc-l24