記事登録
2007年10月12日(金) 17時55分

自衛隊病院、診療報酬6千万円徴収漏れ 検査院指摘朝日新聞

 防衛省が運営し、一般患者も受診できる5カ所の自衛隊病院で、診療報酬を少なく請求していたことが会計検査院の調べで分かった。看護師数が充実しているにもかかわらず「有事の際は数を確保できなくなる」として実際より少ない看護師数で診療報酬を計算していたという。請求漏れは06年度で計6100万円に上る。防衛省は今月から実態に即して診療報酬を請求しており、一般患者は「値上げ」となった。

 自衛隊病院は全国に16あり、隊員は無料で診察を受けることができ、一般患者にも有償で開放している。現在は自衛隊中央病院(東京都世田谷区)や自衛隊横須賀病院(神奈川県横須賀市)など5病院で診察を受けることができる。

 06年度の診療報酬改定では、入院基本料を定める看護師の配置基準が変わり、最も報酬が高かった「10対1(患者10人に看護師1人)」に「7対1」が加わった。厚生労働省によると、10対1の場合の入院基本料は1日1万2690円、7対1は1万5550円で、病院はより高い報酬を患者と公的医療保険の保険者(運営団体)に請求できるようになった。

 自衛隊病院は7対1の請求が可能だったが、「有事の際、7対1を維持できるか不明」として、従来の10対1や13対1の基準で診療報酬を請求していたという。

http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY200710120178.html