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2007年10月12日(金) 00時00分

初音ミク(はつねみく)読売新聞


絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ

 最近、長い緑色の髪を二つ結びにした女の子のキャラクターをウェブでよく見かけませんか? 彼女は新作アニメの主人公でも、美少女ゲームのキャラクターでもありません。

 歌声合成ソフト「初音ミク」のイメージキャラクターなのですワン。ソフト名もキャラ名も初音ミクですが、このソフトで作成した歌声自体も初音ミクと呼ばれたりしています。

 クリプトン・フューチャー・メディア社から発売されているこのソフトは、パソコン上で声を合成して歌を作るためのソフトです。ヤマハが開発した「VOCALOID 2」という音声合成システムを採用しており、メロディーと歌詞のデータを入力すると、そのとおりに女性の声で歌います。合成と聞くと昔のロボットのようなカタカナっぽい声を想像してしまいますが、これはまるで本当の人間が歌っているような歌声が作れるのですワン。声のデータにはアニメなどで人気の声優さんの声を使っており、ビブラートをつけたり、こぶしをきかせることもできます。ただし、作成できるのは歌だけで、伴奏は別途用意して合成する必要があります。

 通常、音楽作成の専門ソフトはたくさん売れるものではありません。しかし、この初音ミクは2007年8月末の発売直後から大人気で、すでに1万本以上売れています。操作がわかりやすいので、かわいい声とキャラクターに引かれた初心者もけっこう購入しているとか。上手に歌わせるにはそれなりに手間がかかって大変なんですが、アイドルを育てる気分が味わえて、なかなか楽しいようですワン。

 しかし、著作権のある楽曲を初音ミクに歌わせて無断で公開するのはご法度です。こういう曲を歌わせたときは、個人で楽しむにとどめましょう。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20071012nt0c.htm