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2007年10月12日(金) 12時58分

撤去始まる「赤福」 創業300年、日本一のみやげ物に衝撃産経新聞

 赤福は1707(宝永4)年創業で、今年がちょうど創業300年を迎える老舗の和菓子メーカー。お伊勢参りの名物土産として知られ、東海地方だけでなく、近畿一円の駅売店や百貨店などで販売しており、年間売上高は80億円を超える。単品のお土産としては日本一とも言われるだけに、「改ざん」のショックは大きい。
 この日、駅の売店や百貨店の店頭からは、赤福を一斉に撤去する動きが広がった。JR名古屋駅の売店では、前日まで赤福が売られていたスペースに、販売中止を告げる張り紙が貼られていた。東海キオスク(名古屋市)は「万が一のことを考え、販売を見合わせた」としている。松坂屋本店(同市)の直営店でも販売自粛を知らせるポスターを張り出した。
 地元伊勢市内でも撤去が進み、県道沿いのみやげ店の男性店主(53)によると、同日朝、赤福本店から「検査しているので販売は自制してほしい」と連絡があり、商品だけでなく店頭ののぼりや見本品などを撤去したという。店主は「伊勢神宮の参拝客など、多い日で1日100個以上は売れた。長年お世話になっていただけに残念」と話した。
 近畿地方の駅構内の売店で赤福を販売している近畿日本鉄道(大阪市)でも、朝から商品の回収を指示。同社広報は「現時点ではっきりしたことは分からないが、万が一に備えて早めに回収した」と早口に話した。近鉄百貨店阿倍野本店(大阪市)でも開店前に同様の連絡があり、5種類すべての赤福を回収した。
 赤福総務部によると、同社の公式ホームページについても、アクセスが集中したため、12日朝から復旧作業を行うため一時閉鎖しているという。
 赤福は300年前に伊勢神宮・内宮に近いおはらい町に開業。当時はおかげ参りが盛んな時期で旅人たちに、白いもちにあんこを乗せた菓子が喜ばれたという。赤福の名前は、「赤心慶福」という言葉に由来し、「真心(赤心)を尽くすことで、人の福を自分のことのように喜ぶことができる(慶福)」の意味。あんこが波打つような形状は、伊勢神宮の敷地内を流れる五十鈴川のせせらぎを表しているという。

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