記事登録
2007年10月12日(金) 14時40分

赤福が製造日を偽装 30年以上続ける東京新聞

 和菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)が主力商品「赤福餅(もち)」の製造年月日を偽って表示、販売していたとして、農林水産省は12日、日本農林規格(JAS)法違反に当たるとして、同社に対しすべての商品の点検、原因究明、再発防止策の実施などを求める行政指導を行った。これを受け、同社は本店の営業を自粛したほか、JR、名鉄など主要駅の売店や百貨店などは商品を一斉に撤去した。

 同省は「JAS法違反に基づく行政指導としては最も重い処分」と指摘。浜田典保社長を東海農政局(名古屋市)に呼び、原因の分析や再発防止策などをまとめ、11月12日までに農相に提出するよう指示した。

 同省によると、赤福はいったん製造し製造年月日、消費期限を表示した「赤福餅」のうち、販売店に出荷しなかった商品を冷凍。「まき直し」と称して注文に応じ解凍・再包装して、その日を新たな製造年月日として表示し直して出荷する行為を長期にわたり日常的に行っていた。冷凍の期間は社内規定で最大2週間と定めていたという。

 同社は2004年9月から今年8月末まで、少なくとも総出荷量の18%に当たる約605万箱をこうした方法で出荷。同社は1973年からこの出荷方法を行っていたという。

 同省に8月中旬に「赤福が製造年月日を偽装している」という情報が寄せられたため、今年9月と10月に伊勢市の本社、工場を立ち入り検査、偽装を行っていることを確認した。調査に対し同社は「出荷の調整のためにこうした方法を取っていた」と説明したという。

 また、原材料表示については重量順に「砂糖、小豆、もち米」と表示すべきところを、「小豆、もち米、砂糖」と表示していた。

 今年に入って食品偽装事件が相次いでいる。8月には赤福と同様に、土産品の定番だった北海道の石屋製菓の「白い恋人」が賞味期限を改ざんされていたと発覚。北海道などが日本農林規格(JAS)法違反で行政処分した。そのほか、ミートホープ社が鶏肉などを混ぜて牛ミンチ肉を偽装していたことが発覚。不二家でも菓子に期限切れの原料を使用していた。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007101290144024.html