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2007年10月11日(木) 06時02分

「最期みとって」報酬は20万円…また自殺サイト殺人スポーツ報知

 自分が開設した自殺サイトに書き込んだ女性に頼まれ、殺害したとして、神奈川県警捜査1課は10日、嘱託殺人の疑いで千葉県市原市の電気工・斉藤一成容疑者(33)=麻薬取締法違反の罪で起訴=を逮捕した。「最期をみとってくれと頼まれた」という斉藤容疑者の銀行口座に、女性から事前に報酬と見られる20万円が振り込まれていた。

 調べでは、斉藤容疑者は4月12日深夜、川崎市高津区向ケ丘の派遣社員西沢さやかさん(21)=長野県出身=の自宅アパートで、西沢さんに大量の睡眠薬を飲ませ、頭に袋をかぶせて窒息死させた疑い。斉藤容疑者は「最期をみとってくれと頼まれた」と、容疑を認めているという。

 斉藤容疑者は昨年6月から、自殺の方法を教える携帯電話の掲示板サイトを開設。4月5日に西沢さんから自殺を希望する書き込みがあり、その後、斉藤容疑者がメールで数回相談を受けていた。西沢さんと斉藤容疑者は、事件当日が初対面だったと見られる。斉藤容疑者の銀行口座には、事前に西沢さんから報酬と見られる現金20万円が振り込まれていた。

 独り暮らしをしていたアパートで西沢さんの遺体が見つかったのは、事件から4日後の4月16日、父親が発見した。現場の状況や携帯電話がなくなっていたことなどから、県警は殺人事件と見て捜査。通話記録などから浮かび上がったのが、斉藤容疑者だった。

 県警は7月下旬、自殺サイトを通じて十数人に睡眠導入剤などを無許可販売したとして、麻薬取締法違反容疑で斉藤容疑者を逮捕。西沢さんの事件についても追及した。今後は詳しい動機と共に、書き込みをした人を洗い出し、余罪の有無を調べていく。

 市原市の自宅周辺では斉藤容疑者について「まさかあの人が…」という声が上がっている。比較的新しい2階建てアパートの一室で、妻と娘の3人暮らし。小学生の娘と楽しく遊ぶ姿がたびたび目撃されていた。

 しかし駐車場から車がなくなり、家族の姿が見えなくなったのは、麻薬取締法違反容疑で逮捕された7月下旬。部屋はひっそりと静まりかえり、ドアには南京錠が取り付けられたままとなった。

 同じアパートに住む主婦(27)は「(斉藤容疑者の)娘さんがとてもしっかりしていて、両親のしつけがいいと思った」と話し、いなくなった家族の行く末を案じていた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20071011-OHT1T00071.htm