記事登録
2007年10月10日(水) 13時48分

<早稲田大学>坂野教授を処分 大学院入試問題作成者漏洩で毎日新聞

 早稲田大商学部の坂野友昭教授(52)が大学院入試問題の作成者をゼミ生に教えていた問題で、早大は10日、坂野教授を停職30日の懲戒処分にしたと発表した。また、坂野教授の指導を受ける大学院の新規学生(修士、博士課程)募集を2年間停止とした。処分は9月21日付だったが、大学側は20日間公表せず、教授の講義の休講理由なども学生に説明していなかった。早大広報室は「別の疑惑についての調査がまとまってから、一緒に公表しようと思った」と釈明している。
 早大によると、坂野教授は05年度大学院商学研究科(博士課程)の入試(05年2月実施)で、英語の問題の作成・採点に当たった教員の名前を、事前にゼミ生3人に漏らし、大学側の調査開始後はゼミ生に口止めした。また答案用紙は採点時、公正を期すため氏名・受験番号を覆い隠し、採点者に見えないようにするが、ゼミ生が坂野教授に自分の答案だと知らせるため穴を開けるなどの工作もしていた。
 さらに坂野ゼミでは04年12月ごろ、雑誌から引用して作った英語の問題を解かせていたが、問題の入試では、この雑誌の別の号に載った英文が使われていたことも判明。早大は「号が異なり、別の論文であるため不正ではない」としている。
 坂野教授は調査委に、問題作成者を漏らした事実は認めたが「(雑誌からの)出題は意図的ではない。答案に目印を付けるよう指示もしていない」と話しているという。
 坂野教授を巡っては「03年からの数年間、公的研究費を不正請求していた」とする匿名の告発も寄せられ、調査委が調べているが、結果はまとまっていないという。【加藤隆寛】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071010-00000048-mai-soci