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2007年10月09日(火) 00時00分

WPA(だぶりゅぴーえー)読売新聞


絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ

 無線LANの暗号化方式の規格のうちのひとつですワン。それまで主流になっていたセキュリティー対策であるWEP方式の弱点を補うものとして登場した方式です。

 これまでも何度かお話しましたが、セキュリティーなしの無線LANはやり取りしているデータの内容を大声で読み上げているのと同じようなものです。そこでデータを守る必要があるのですが、WEPという暗号化方式は以前からもろくて解読されやすいと指摘されていました。そこでより頑丈にデータを守るWPAが登場しました。

 WPAは基本的にWEPで使われていた方法に上乗せするような形で改良されています。WEPは無線LANに付けられたネットワークの名前と、暗号化したり元に戻したりするために必要な鍵になる文字列を使ってデータを守っていましたが、WPAはそれにプラスしてユーザーを認証する機能や、暗号を解読する鍵をわかりにくく推測しづらくする技術などが盛り込んでありますワン。

 無線LAN機器の説明では「WPA-PSK」となっているものが多いですが、これは個人でWPAを使いやすいようになっている仕様のこと。普通にお店で買うような機器はほとんどPSKのほうだと思います。ほかに「TKIP」「AES」という言葉がくっついていることがありますが、これは暗号を作る手順のようなものを指し、AESのほうが新しくて今のところ解読手法が見つかっていません。機器が対応しているなら、現状ではAESがベストチョイスでしょう。

 中には「一般家庭ならWEPで充分。滅多に悪用なんかされないよ」という声も無いでは無いですが、WEPは数分で解読できてしまうツールが出回っていてセキュリティーとは言えない状態です。出来ればWPAに切り替えておきたいものですワン。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20071009nt0d.htm