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2007年10月08日(月) 21時08分

社保事務所の元係長逮捕 保険料30万円横領の疑いで朝日新聞

 社会保険庁などの職員による年金保険料の横領問題で、福岡県警は8日、加入者から徴収した国民年金保険料約30万円を着服したとして、小倉南社会保険事務所(北九州市小倉南区)の元係長、北川勝久容疑者(37)を業務上横領の疑いで逮捕した。県警によると、社保庁が先月、職員による横領の調査結果を公表して以来、関係者を逮捕するのは全国初という。北川元係長による横領は逮捕容疑も含めて総額約100万円に上るとみられ、県警は裏付け捜査を進め、立件する方針。

 調べでは、北川元係長は社保事務所の国民年金保険料課に勤務していた06年2月上旬、国民年金保険の加入者2人から徴収した保険料計約30万円を横領した疑い。その際、同事務所の金庫から不正に持ち出した領収書を渡して正規に徴収したと見せかけた。

 北川元係長は06年7月に同事務所を自己都合により依願退職。その後、同2〜5月に加入者7人の保険料計約100万円を横領していたことが発覚し、社保庁が同10月に業務上横領の疑いで県警に告訴した。

 しかし、北川元係長は同年末ごろから行方がわからなくなり、県警が全国に指名手配していた。8日は、退職後に勤務していた熊本市の風俗店で逮捕された。

 北川元係長は社保庁の調査に「横領した金は消費者金融などへの借金返済に使った」などと話し、約100万円の全額を弁済したという。元係長の退職金は全額支払われており、社保庁側が返還を求めている。

http://www.asahi.com/national/update/1008/SEB200710080002.html