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2007年10月07日(日) 09時07分

L&G事件で古参会員宅捜索、準幹部扱いで勧誘に奔走読売新聞

 「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京・新宿)の出資法違反事件で、警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部が、会員集めの中核となっていた古手の会員のうち、一部の自宅などを同法違反容疑で捜索していたことがわかった。

 古手会員の多くは、同社が設立したNPO法人の理事を兼ねるなど、L&Gの幹部に準じる扱いを受けており、高額の手数料目当てに全国で会員の勧誘に奔走していた。捜査本部は、こうした会員についても任意で事情聴取し、刑事責任を問うことも視野に捜査を進める。

 捜査本部の調べによると、L&Gは全国約5万人の会員から1000億円に上るとみられる「協力金」を集めていた。同社はその宣伝材料として、2004年に独自通貨「円天」を導入した当初、会員が払った協力金の額や新たに会員を勧誘した人数に応じて会員を六つのランクに格付けし、このうち500人以上を勧誘した会員を、最高ランクの「GA(グランドアーク)」として処遇した。

 GAの資格を得た会員は、新規会員から1口100万円の協力金を集めるたびに、4〜5%の紹介料を受け取ることができたほか、独自通貨の円天も同社から無制限で支給された。

 このため、支給された円天を、寝具や電化製品などの大量の商品と交換し、自分の受け持ち地域で「円天市場」と呼ばれるバザーを開いたうえ、そこを新たな会員を勧誘する場に利用するGAも次々に現れた。

 さらに一部のGAは、同社が設立した内閣府認証のNPO法人「あかり研究所」の理事や、関連会社の役員に就任。同法人の名刺を持つなどして、新規の会員を勧誘する責任者として活動していたほか、L&G本社で月1回開かれる会議にも出席し、自分より階級が下の会員に経営方針を伝える役目も担っていた。

 こうしたGAは当初、全国で50人程度だったが、05年末になると、同社はさらに多くの協力金を集めるため、会員の階級を一般会員とGAの2ランクに変更。GAになるために必要な会員の勧誘数も、500人から300人、さらに100人と、段階的に減らして昇格しやすくした。

 同社関係者によると、このため多くの一般会員が、GA昇格を目指して勧誘に奔走。「あと1人でGAになれる。子供の名前を使ってでも会員になって」と親族に頼み込む会員も続出するなど、昨年末までにGAの資格を持つ会員が約300人に増え、「1人で5億円を集めて報酬をたくさんもらった」と自慢するGAもいたという。

 捜査本部は、こうしたGAが、今年に入って事実上、破たん状態だった同社の内情をどの程度把握し、経営方針の決定にどのように関与したか追及する方針。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071007i201.htm