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2007年10月06日(土) 11時15分

50メートル前ブレーキなら回避 尼崎脱線事故で鑑定書東京新聞

 107人が死亡した2005年4月の尼崎JR脱線事故で、列車が現場カーブの手前約50メートルで非常ブレーキをかけていれば脱線を回避できたとする鑑定書を、独立行政法人「交通安全環境研究所」(東京)が兵庫県警尼崎東署捜査本部に提出していたことが、6日分かった。

 研究所は捜査本部の依頼を受け、事故車両やレールなどを工学的に分析し、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会を補完する形で調査した。

 これで外部機関に嘱託していた鑑定結果がそろい、捜査本部は業務上過失致死傷容疑などでの立件に向け、詰めの捜査を進める。

 鑑定書は、現場カーブで事故列車が脱線する速度(転覆限界速度)を時速105−110キロと推定。高見隆二郎運転士=死亡当時(23)=が、カーブ入り口から約50メートル手前にある名神高速の陸橋付近で非常ブレーキを操作していれば、減速してカーブ内では限界速度を下回ったと分析した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007100601000196.html