記事登録
2007年10月06日(土) 07時29分

力士死亡 複数の兄弟子立件へ 愛知県警 傷害致死の疑い東京新聞

 大相撲時津風部屋の序ノ口力士、時太山(ときたいざん)=当時(17)、本名斉藤俊(たかし)さん=が死亡した問題で、遺体の組織検査をしてきた新潟大学病院は五日、死因を「多発外傷による外傷性ショックと考える」とする鑑定結果を愛知県警に伝えた。これを受けて同県警は、無理なけいこか、暴行が死亡に結びついたとみて、複数の兄弟子を傷害致死容疑で立件する方針を固めた。

 県警は、時津風親方(57)=元小結双津竜、本名山本順一さん=については暴行や過度のけいこを指示したかどうかを調べる。

 当初、県警犬山署は死因を虚血性心疾患と発表した。だが、遺族が要請した新潟大での行政解剖で多発外傷性ショックの可能性が高いとされ、同大は死因を確定するため組織を培養するなどして検査を進めていた。

 これまでの調べでは、斉藤さんが死亡する前日の六月二十五日夜、名古屋場所の宿舎(愛知県犬山市)を抜け出した斉藤さんの頭を時津風親方がビール瓶で殴ったり、兄弟子が殴ったりして暴行。翌二十六日朝には、けいこに遅れてきた斉藤さんを兄弟子が金属バットで殴打し、相手を押し込むぶつかりげいこを三十分間した。ぶつかりげいこは体力の消耗が激しく、三十分間は非常に長いとされる。

 斉藤さんはぶつかりげいこ中に倒れ、けいこ場で寝かされているうちに容体が急変し、犬山市内の病院で死亡した。県警は今後、誰がいつどのような暴行を加えたかを特定するとともに、激しいけいこと死因との関連などを調べる。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007100690070925.html