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2007年10月06日(土) 13時41分

子どもを守らなきゃ! 井戸端狙うチェーンメールの罪ツカサネット新聞

先日、友人からメールがきた。大型スーパーなどのトイレで、子どもの性犯罪が頻発しているため気をつけるように、という内容のメールが自分の友人から回ってきたのでとりあえず転送した、とのこと。読むと、これがかなりえげつない内容だった。(本記事、最下段のメール本文を参照)

でも、よく考えてみると、以前読んだ漫画にもこのような内容が書いてあった。とにかく裏をとらないと、と考えていた翌日に同じ友人から「チェーンメールだったらしい」という連絡が来た。県警からの発表があったそうだ。その日、全国紙の地方版にも記事として掲載されていた。全国的に広範に出回ったメールだったようだ。

もしこんな事件が頻発していたら、既に警察が乗り出しているはずだし、マスコミにも大なり小なり出ているはずだ。そして、名指しされたスーパーのトイレにも、きっと注意書きがしてあるはずだ。最近のクロックスの足挟み事故や、少し以前のローラーシューズの転倒事故が頻発した時も、すぐに注意書きが張り出されていた。犯罪ならなおさらだ。

メール内容の奇妙な具体性と抽象性、どこからが伝聞で、どこからが送信者の文章なのかが不明な、おそらくどの時点かで伝言ゲーム化してしまったであろう文章。
「みんなでこどもを守ろう」
「返信は不要だからできるだけ広めて」
それでも、こう結ばれると、つい、すぐに仲良しの友人に送ってしまいたくなる。この拙さに逆に煽られるのだ。

メールは、大きく文化を変えた。便利には違いないが、その影で、いじめの元になったり、このような流言をあっという間に広めてしまう罪がある。このメールを最初に流した人は愉快犯かもしれないし、スーパーにうらみがある人なのかもしれない。でも、もしかすると、本当に善意でのことだったのかもしれない。

「子どもを犯罪から守らなきゃ」

この言葉は、一般的には、大人にとって、特に親にとっては誰にでも通用する。この内容を知って、嫌な気分になることはあっても、困るということはないだろう。大人の子どもに対する目配りを喚起して、事件事故を未然に防ぐことになるかもしれない。しかし、大きな不安を駆り立てられるのは間違いない。

悪意のないチェーンメールこそ、ある意味、本当にタチの悪いものかもしれない。


以下は、筆者が受け取ったメール全文である。


>転送元のメール
>>福岡で「****や****で幼児をトイレに連れ込みいたずらをする事件が相次いでいるみたい。男の子はお尻にボールペンを入れられ、女の子のはもっと酷くて3歳で子宮を全摘出しなくてはならない程…口には粘着テープをされたらしい…ママと買い物していて子供だけ男子トイレに入ったときやママと別の個室に入って1人で出たところを狙われたらしい。もしお子さんを1人でトイレに行かせているなら気をつけてあげて下さい!!」
>>とのこと…子供のいる友達に送って、みんなで子供を守ろう
>>「返信は良いので出来るだけ広めて!」

(編集部注:文中の****部分にスーパーの名前が入っていたので、編集部で伏字にいたしました)


(記者:チカラハハ)

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