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2007年10月06日(土) 16時33分

<脳内メーカー>アクセス5億件 人気の秘密は?毎日新聞

 占いや姓名判断も、今やインターネットで手軽に楽しめる。そんな中、インターネット上で話題を集めているのが「脳内メーカー」。姓名を入力すると、その人の脳内のイメージが「愛」「楽」「秘」「H」など、さまざまな文字を使って表現される。6月下旬から人気が急上昇し、アクセスは延べ約5億件(5日現在)に達した。その人気の秘密は——。【秋山信一】
■占ってみると
 ホームページにあるフォームに姓名を打ち込み、横にあるボタンをクリックすると、56文字の漢字で埋め尽くされた脳の絵が表示された。その人の、脳内イメージを表現している。記者(26)の場合、中央に「金」が1文字あるほかは、すべて「食」。確かに食べるのは好きだし、お金にもうるさい……。
 脳内メーカーを公開しているのは、ハンドルネーム「JKチョリソー」さん。年齢、性別、経歴は非公表。「私(チョリソーさん)自身に関する質問への答えは控える」との条件でメールでの取材に応じた。
 チョリソーさんが脳内メーカーを公開したのは今年6月16日。以前から名前を入力するだけで楽しめる同種のツールを公開しており、「頭の中にいろいろな文字が出てくるというのは面白いのではないか」と思いついたという。
 “診断”に使うのは40種類の漢字。「H」という例外もある。「多くの人が考えていそうなもの」「表示された時に面白そうなもの」が基準だった。
■人気の秘密は?
 利用が増え始めたのは6月28日ごろ。ポータルサイト「ヤフー」に「検索数急上昇のキーワード」として掲載されたのがきっかけだった。アクセスが殺到し、診断できなくなることもしばしば。サイトへのアクセスは8月6日に延べ1億件、同27日に2億件、9月7日には3億件を記録した。
 「何度やっても同じ結果が出るし、同じ名前の人は少ない。人は『自分は一貫していたい』とも『他人とは違っていたい』とも思っており、ツボを外していない」と分析するのは立命館大の佐藤達哉教授(社会心理学)。「ゲーム性もあり、何人かでやっても面白い」と評価する。
 一方、占師でつくる日本占術協会(東京都)の常任理事の栗原里央子さんは「正道の占いとは別物。一時的なブームでしょう」と冷静な分析。ちなみに「脳内メーカー」を試した栗原さんの感想は「システムはよく分からないですけど、(診断は)当たらずとも遠からずだった」。
■本当に当たる?
 でも姓名だけで本当に占えるのか。チョリソーさんの答えは「根拠は一切ありません」。
 それでも記者のように「当たっている」と感じた人は多いはず。佐藤教授は「やる人は『当たりたい』と思っている。例えば『悩』と出れば、何かの悩みに思い当たるし、思い当たらなければ『本当は悩みがあるのか』と感じる」と分析する。
 「何の根拠もないジョークツールなので、軽い気持ちで遊んでもらえるとうれしいです」とチョリソーさん。試してみたい人は「脳内メーカー」(http://maker.usoko.net/nounai/)にアクセスを。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071006-00000052-mai-soci