福岡県筑豊地方の炭鉱で働き、じん肺になった患者らが、国などの責任を追及して賠償を求め、最高裁で勝訴が確定した筑豊じん肺訴訟の記念碑が同県田川市に完成、除幕式が5日、行われた。
訴訟の元原告団、弁護団が建立。じん肺患者の肺に見立てた黒い御影石の柱を2本並べた。高さは、18年4カ月の訴訟期間と、最高裁判決が言い渡された2004年にちなみ、それぞれ184センチと200・4センチ。
九州では石炭くずをボタと呼ぶ。碑には、石炭増産を優先し、じん肺対策を怠った国への怒りを込め「俺たちはボタじゃない」と刻まれている。
04年の最高裁判決は、国が粉じん防止の規制権限を行使しなかったことを違法として賠償責任を認める初判断を示し、じん肺問題の解決を促す大きな契機となった。