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2007年10月05日(金) 07時19分

コーチン「純血種だけ」 是正指導、愛知県が独自基準東京新聞

 愛知県特産の地鶏「名古屋コーチン」と表示された商品に偽物が含まれている可能性が指摘された問題で、同県は、両親ともに名古屋種の「純血」以外は名古屋コーチンとの表示を認めず、独自に日本農林規格(JAS)法違反とみなして是正を指導していく方針を固めた。交雑種や全く別種の鶏肉が混ぜられながら「名古屋コーチン」として売られている商品を排除し、“かしわの王様”のブランド力を維持する狙いだ。

 JAS法は「実際のものより著しく優良と誤認させる」表示を禁じている。しかし、「名古屋コーチン」は名古屋種(品種名)の通称で、明文化された品質表示基準やガイドラインなどはない。

 このため、農林水産省は、独立行政法人のDNA検査で名古屋コーチンの商品の2割から別の鶏肉が見つかったとした調査結果について「現時点で、JAS法に違反しているとは考えていない」との見解を示していた。

 しかし、愛知県は「このままでは名古屋コーチンの信用低下につながる」として協議し、「『名古屋コーチン』は『名古屋種』と同じ品種名」と判断。そのうえで、「『名古屋種』は養鶏振興法に外見上の定義があり、同法の定義をJAS法違反の判断基準に適用できる」との見解を打ち出した。また、「名古屋コーチンが純血であることは社会の共通認識になっている」として、交雑種を「名古屋コーチン」として販売することはJAS法違反に当たると独自に結論づけた。

 近く業界団体や大手業者などを集めて会合を開く予定で、正式に見解を伝える。他県の業者が交雑種などを名古屋コーチンとして販売している場合も、当該の県に通報し、同様の基準適用を要請する方針。

 農林水産省食品表示・規格監視室は「『名古屋コーチン』は品種名ではなく、『名古屋種』由来の鳥の通称。明文化された定義はなく、純血以外のものが『名古屋コーチン』と表示して販売されても、ただちにJAS法違反とは言えない」との従来の見解を踏襲した上で「愛知県が責任を持って判断すること。考え方は尊重する」と話している。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007100590071132.html