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2007年10月05日(金) 11時10分

騒音は、どこまで許される?ツカサネット新聞

近隣との騒音トラブルは、いまに始まったことではない。四六時中、大音量の音楽を流し、「ふとん叩き」でパンパン叩きながら「引越し! 引越し!」といやがらせをする「引越しおばさん」も有名になった。

このほど、マンションの上階に住む幼児が走り回る音がうるさく、下階の住民が注意しても、建物の構造のせいにしたりして、聞き入れてもらえなかった。そのため、240万円の損害賠償を求める訴訟に踏み切った。東京地裁は、上階の住民(現在は別のところに引越ししている)に36万円の支払いを命じた。

これを受けた街の声は、賛否両論。また、関連情報を調べていくと、同じような悩みを持つ人がけっこう多いことがわかった。共通点としては、直接苦情を伝えると逆恨みをされたり、その後の人間関係にひびが入るおそれがあるから、がまんせざるを得ないということだ。

私の住むアパートの規約には、「住民同士のトラブルは当人同士で解決するように」と記載されているが、それには騒音のよるものも含まれているのだろうか。

生まれたての赤ちゃんの泣き声や幼児のむずかる声は、成長過程にあるものだから納得がいく。しかし、明らかに聞き分けができる年代になっても「しつけ」ができていないと、近隣の「堪忍袋の緒」も切れてしまうかもしれない。

しかし、耳障りなのは子どもの出す音だけではない。なにげない生活音が隣近所に響くことはよくあること。隣の音が聞こえてくるということは、逆にいえば、ひとり暮らしの私の生活音も近隣に聞こえているということだ。そのため、電子レンジの音(チンではなく、ピーピーと5回鳴るタイプ)を寸前で止めるなど、自分なりに気を遣っている。

また、電話や来客の対応にも神経を遣う。まさか、面と向かって「小さい声で話して」とはいえないので、自分の声のトーンを落として相手にエールを送る。それでも、気を利かしてもらえないときは最悪だ。たいていは、自分の用件を伝えることに精一杯だから、相手の住宅事情までわからない。

先祖から住み慣れた土地に継続して住む場合は、後々のこともあるので、なにかあってもお互い様だと、がまんすることも多い。しかし、賃貸住宅に住んでいる場合、なにかあったら引っ越せば済むという開き直りがある。だから、近隣との人間関係にも心を配る余裕や、必要性も感じないのだろうか。今回の事例は東京都だが、これは地方の長閑なところでも起こりうることだ。

こうしているうちに、今度は公園の噴水で遊ぶ子どもの声がうるさいと、噴水の水が止められた。なんといっていいのやら…。


(記者:翔子)

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