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2007年10月04日(木) 17時19分

節操なさすぎ、デパート「優勝セール」オーマイニュース

 今年は絶対無理と誰もが思っていただろう。しかし、その日本ハムファイターズがパ・リーグを制覇し、にわか日ハムファンとしてはうれしい限りだ。にわかといっても、日ハムが北海道にやって来て4年目だから多くのファンは同じ「にわか」ということになるのだろうか。あとはクライマックスシリーズに勝ち、日本シリー ズでも勝ち続けることを祈るのみである。

 それはさておき、ファイターズがパ・リーグ優勝を決めた翌日から、札幌市内のデパートやスーパーでは一斉に「優勝記念セール」が始まった。ヒルマン監督にちなみ、「紅白昼マン」が登場したり、ハムが配られたりして、行列もできていたそうである。

 経済効果も上がることだし歓迎すべきセールなのだが、巨人がセ・リーグの優勝を決めたとたんに、「セ・リーグ優勝おめでとう! ジャイアンツ優勝セール」も始まったのだ。

 はりきってセールを始めたのは、札幌の(あるいは北海道の)老舗「丸井今井」と「札幌三越」の2つのデパート。

 丸井今井は10月8日まで「北海道日本ハムファイターズ パ・リーグ優勝セール」を大々的に開催中。セ・リーグ優勝のセールも同じく10月8日までとなっているから同時開催ということになる。

 三越も丸井今井ほどではないにしろ、2日までは同じくセール中だった。片方は「セ・リーグもパ・リーグも一緒くた」にし、もう片方は「昨日まではパ・リーグ、今日からはセ・リーグ」と変わり身が早く、節操がないことこの上ない。

 例えば西武が勝てば西武デパート、およびその系列店、阪神が勝てば阪神デパート、およびその系列店、そして地元のデパートや商店がセールを開催というのならわかる。

 しかし、なぜ三越が? そして、なぜ節操もなく丸井今井が? 

 そう思わざるを得ない。

 そもそも巨人が勝った時に、元気いっぱいセールをぶち上げていたのは「そごう」だった。そのそごうはすでに西武と系列が一緒になっているから、もうそんなことはできない。だから代わりに三越が引き継いだということらしい。

 三越は間もなく伊勢丹と経営統合する。丸井今井は伊勢丹とすでに業務提携しているから、三越とも親せき関係になる。三越が開催するセ・リーグ優勝セールとも足並みをそろえておきたい事情があったのだろう。

 しかし、ちょっと待ってもらいたい。今年の野球はこれで終わりなのか? クライマックスシリーズに勝って、日本シリーズに進んだ時、セ・リーグから巨人が出てくることはじゅうぶん考えられる。

 つまり、敵になる可能性がじゅうぶんにあるのだ。そんな時になぜ、仲良く同時開催をしなくてはいけないのだ? 

 新聞によると丸井今井は「1977年から巨人優勝セールを行っている。パは日本ハム、セは巨人を応援するのが会社の方針」なのだそうだ。

 「巨人がしばらく優勝から遠ざかっていたから、忘れているのではないですか? うちは随分前からこうですよ」と言いたいらしい。だが、お客の気持ちはどうなるのだろう?

 繰り返すが、あまりに節操がない。なさ過ぎる。

 昨年、日本一になった北海道日本ハムファイターズの優勝パレードを札幌三越前で見ていた。その時、観客の多くが大声で叫んでいたのが「小笠原! 行かないで!」だった。

 小笠原選手がいなくてもパ・リーグで優勝できるくらいファイターズは強くなっていたが、わだかまりはまだあるはずだ。今年、札幌で開催されたジャイアンツ戦のチケット販売が例年になく大苦戦したことが、すべてをあらわしていると思うが、どうなんだろうか。

(記者:山口 真佐美)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071004-00000004-omn-hok