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2007年10月04日(木) 01時09分

<中小企業退職金共済制度>未払い366億円も 長妻氏指摘毎日新聞

 厚生労働省所管の独立行政法人「勤労者退職金共済機構」が運営する中小企業退職金共済制度で、合計49万2251人分にあたる約365億9000万円の退職金が未払いのままであることが3日、明らかになった。衆院本会議の代表質問で長妻昭氏(民主)が指摘、福田康夫首相が認めたもの。首相は制度の改善を約束した。
 同制度は退職金制度のない中小企業を対象に、59年度にスタートした。希望する企業は同機構と契約し、当該企業の従業員は月々5000〜3万円の掛け金を払う。同機構は掛け金と国の補助金を運用し、従業員の退職時に一時金として支払う仕組みだ。
 同機構は制度発足時から06年度末まで、855万6027人に約5兆8221億2800万円の退職金を支払っているが、公的年金同様、支払いを請求しない限り支給しない「申請主義」をとっているために、大量の未払いが発生しているという。同機構は退職後3カ月を過ぎても請求してこない従業員に対し、在籍した企業に通知を出しているものの、加入者の住所を把握しておらず、直接通知できないという。福田首相は「今後は勤めていた人に直接請求手続きを促す」と答弁した。
 中小企業退職金共済法によると、退職後5年以上請求のない退職金は時効扱いとなるが、厚労省は「一定の理由があれば支払いには応じている」と説明している。同機構は、3日から問い合わせを受け付ける電話(0120・938312)を設置した。【吉田啓志】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071004-00000004-mai-pol