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2007年10月03日(水) 06時26分

第一藍野学院、理事会議事録を偽造提出朝日新聞

 山梨県や岩手県で大学や短大を経営する学校法人「第一藍野学院」(山梨県富士河口湖町)が、今年1月にあった理事会の議事録を偽造して文部科学省に提出したとして、同省は2日までに、原因を究明し改善報告を提出するよう指導した。

 問題となったのは、現在の小山英夫理事長を選んだ今年1月29日の理事会。出席した理事が定足数に達していなかったのに、成立したと偽っていたという。

 文科省によると、同学院は同日、東京都内で2回の理事会を開いた。1回目の理事会で、「一身上の都合」として当時の渡辺誠理事長と他の2人の理事が辞任を表明。続いて開いた2回目の理事会で小山氏を新理事長に選んだが、参加した理事は6人だけで、成立に必要な定数(13)の過半数に達していなかった。

 2月に同学院の職員が理事会の不成立に気づいたが、上層部がうその議事録の作成を指示。3月にその議事録を添付して、文科省に理事長ら役員の変更を届け出た。

 虚偽報告の情報を得て、文科省は9月から小山理事長らに事情を聴いていた。当初は「6人と渡辺氏が参加していたので成立していた」と回答していたが、今月1日になって「7人は記憶違いで6人しかおらず、理事会は不成立だった。定足数の確認を失念した」と証言を翻し、議事録の偽造を認めた。

 これを受け、文科省は同学院に対し(1)再度理事会を開いて理事長選出をやり直す(2)虚偽報告をした原因を究明する(3)学内で改善策を考え改善状況を報告する——ことを求める指導をおこなった。小山理事長は応じる姿勢を示しているという。

 第一藍野学院は、大阪府茨木市などで大学や短大を経営する学校法人「藍野学院」(小山昭夫理事長)を中核とする「藍野グループ」の一角。富士河口湖町で健康科学大、岩手県一関市で修紅短大や一関修紅高校、修紅短大付属幼稚園を経営している。問題の理事会を経て、今年2月に、昭夫氏の長男の英夫氏が理事長に就任したとしていた。

http://www.asahi.com/life/update/1002/TKY200710020533.html