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2007年10月03日(水) 10時32分

L&Gを強制捜査、会長宅など捜索 出資法違反容疑朝日新聞

 高利の配当や「円天」と称する疑似通貨を売り物に、健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、波和二会長)が違法に出資金を集めた疑いが強まったとして、警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部は3日午前、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で同社の本社や波会長の自宅など関係先の家宅捜索を始めた。全国約5万人から1000億円超を集めたとされ、捜査本部は過去最大規模とみられるマルチ商法の実態解明を進め、最終的には詐欺容疑での立件を目指す。

L&G本社には捜査員約90人が家宅捜索に入った。10階建てビルには約15の関連会社とNPO法人「あかり研究所」も入居する。詐欺容疑での立件に向け本格捜査が始まった=3日午前9時54分、東京都新宿区新宿2丁目で、

 捜索は4日以降も行われ、計約50カ所以上に及ぶ。警視庁生活経済課の調べでは、L&Gは01年ごろから、「100万円を預ければ年利36%」などとうたい、「協力金」と称して不特定多数から出資金を集めた疑い。出資金を配当に回す「自転車操業」を繰り返していたとみられる。

 グループは数年前から疑似通貨「円天」を発行。「保証金」名目で現金を振り込むと、その額に応じて年1回、同額の円天が与えられた。会員は全国のホテルや銀座のビル、インターネット上の「円天市場」で各種の商品を得る仕組みだった。

 会員は「あかり価格」と称する金を払って入会。また、新たに会員を勧誘すると、その会員が契約した投資商品や円天の25%を報酬として支払う制度を導入していた。

 しかし、今年1月、協力金の利息支払いを、現金から円天に切り替えると決め、2月に会員に通知。その後円天での配当も止まった。9月20日、資金繰り悪化などを理由に約15の関連会社を含め従業員の大半を解雇。活動は行き詰まった。

 L&Gは朝日新聞の取材に「配当は株主社員(会員)への給料。不特定多数から金を集めてはおらず、違法ではない」と説明している。

http://www.asahi.com/national/update/1003/TKY200710030037.html