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2007年10月02日(火) 15時04分

<L&G>会員に契約書交付せず ずさんな資金集め浮き彫り毎日新聞

 独自の電子マネー「円天」などを売りに、約5万人から1000億円前後を集めたとされる健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、波和二(かずつぎ)会長)が会員から資金を募った際、資金の使途や解約方法を記載した契約書に準じた書面を交付していなかった疑いが強いことが分かった。多くの会員は現金と引き換えに「預かり証」と呼ばれるA4判の書面を1枚だけ渡されていたという。グループのずさんな資金集めの実態が浮かび上がった。
 同社は87年設立。当初は自社で開発した健康布団の販売を主な業務としていた。その後、年利36%の高配当を約束して「協力金」名目で会員を勧誘。数千万円単位の金を預ける会員も珍しくなかった。だが、会員に発行される預かり証には、預かった金額や利息の振り込み予定日が記載されていたものの、資金集めの趣旨や運用方法、解約時の手続きなどは一切記されていなかった。
 グループは数年前から円天を支給するとうたい資金集めを開始。会員は円天を使ってさまざまな商品が購入できるとされた。グループは会員に配った説明文書で、協力金に対する利息を「会員が円天市場を発展させるための給料」などとする独自の論理を展開していた。しかし、今年2月になって突然、協力金に対する利息を現金でなく円天で支払うと通知し、解約希望者が続出した。
 実際に現金を預けた会員は「説明会などでは、預けておけば定期的に現金の利息がもらえると話していた」と証言している。両者の認識は食い違っているが、グループ幹部は毎日新聞の取材に「さまざまな約束事を説明して給料だということを理解してもらっており、契約書は必要ない」と答えた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071002-00000059-mai-soci