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2007年10月02日(火) 03時09分

<L&G>警視庁が強制捜査へ 円天システム破たん?毎日新聞

 「円天」と呼ぶ独自の電子マネーを導入して約5万人から1000億円前後を集めたとされる健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、波和二(かずつぎ)会長)グループが、違法に出資金を集めた疑いが強まったとして、警視庁生活経済課などは今週半ばにも、出資法違反容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めた。円天システムは事実上破綻(はたん)したとみられ、同課は巨額の資金を集めたグループの実態解明を図る。
 グループは「3カ月ごとに9%の利息を支払い、満期(1年)になれば元金を返還する」と約束し、「協力金」名目で不特定多数から出資を募るなどした疑いが持たれている。今年2月に協力金への利息を現金ではなく円天で支払うと通知したため、会員との間でトラブルが多発。東京都も1日、都消費生活条例(不当勧誘行為)に抵触する疑いがあるとして立ち入り調査を行った。
 内部資料によると、グループは数年前に円天を導入、「保証金」名目で1回現金を支払うと、年に一度、携帯電話に同額面の円天が振り込まれるとうたっていた。10万円を1回預けると10万円天が毎年手に入る仕組みで、会員は円天を使って布団や日用品などをインターネット上のサイトで購入できるとされた。
 さらに、東京・銀座には販売オフィス「円天市場」を開設。全国のホテルなどを巡回するバザー形式の円天市場でも、円天を利用させていた。
 バザーに出品する加盟店は会員から受領した円天と引き換えに、L&Gから「貸し付け」名目で現金を受けていた。しかし、円天額面の25%しか現金を受け取れないため、多くの加盟店は円天での物品販売価格を現金時と比べて4倍以上高く設定していたという。
 グループは今年7月ごろ銀座の円天市場を一時閉鎖、巡回形式の円天市場も開かれなくなった。9月に本社や銀座で円天市場を再開したが、会員が所持する円天は使用できなくなった。資金回収が不可能になったと判断した一部会員らは、波会長らを刑事告訴する動きをみせている。
 グループは「不特定多数から出資を募っているわけではない」と違法性を否定している。会員の相談に応じる弁護士は「円天は無限に使える『夢のお金』のような話だが、違法な資金集めを隠す意味もあるのではないか」と指摘している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071002-00000008-mai-soci