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2007年10月02日(火) 19時02分

L&G社、資料廃棄 退職社員の口止めも 証拠隠しか朝日新聞

 高利の配当をうたい、約5万人から1000億円超を集めたとされる健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、波和二会長)が従業員の大半を解雇した9月下旬、幹部らが内部資料の廃棄や、退社した元社員への口止めをしていたことがわかった。警視庁は幹部らが証拠隠しを図った疑いが強いとみている。同庁は2日までに宮城、福島両県警と合同捜査本部を設置。出資法違反に加え、今後、詐欺容疑での立件も視野に解明を進める。

 警視庁生活経済課の調べなどでは、L&Gは01年から、「100万円を預ければ年利36%」などとうたい、「協力金」名目で不特定多数から出資を募った出資法違反(預かり金の禁止)容疑が持たれている。

 協力金とは別に、グループは数年前から、疑似通貨「円天」を導入。「保証金」名目で現金を振り込むと、出資額に応じて年1回、現金と同額の円天が与えられた。会員は新宿の本社や銀座の商業施設、インターネット上で開かれているバザー「円天市場」で、商品を得る仕組みだった。

 L&Gは今年1月、協力金の利息支払いを、現金から円天に切り替えると決定。翌月に一方的に会員に通知し、その後円天での配当も止まった。会員がためた円天も9月ごろには、新たに「共鳴金」名目で金を振り込まないと使えなくなった。

 グループは9月20日、資金繰りの悪化などを理由に約15社の関連会社を含め、従業員の大半を解雇。関係者によると、その直後から幹部らが内部資料を廃棄したり、辞めた従業員に対し、会社の業務内容について口外しないよう求めたりしたという。

 警視庁は、L&Gが集めた資金を配当に回す「自転車操業」を続け、すでに破綻(はたん)状態にある可能性が高いと判断。週内にも、本社や波会長の自宅など数十カ所を家宅捜索する方針だ。

http://www.asahi.com/national/update/1002/TKY200710020309.html