「円天」と呼ばれる独自通貨や高額の配当と引き換えに、総額１０００億円に上るとみられる「協力金」を集めていた健康商品販売会社「エル・アンド・ジー（Ｌ＆Ｇ）」（波和二会長）が、波会長の親族を理事とするＮＰＯ法人を設立し、「傘下に内閣府認証のＮＰＯがあるので安心」とうたって会員を勧誘していたことがわかった。
同社は「子会社と関連会社が１３社に上る」などと説明し、資金力に不安がないこともアピールしていたが、実際には会員から集めた協力金以外、収入は全くなかったとみられる。警視庁は近く、出資法違反容疑で同社などを捜索し、こうした資金の流れの解明を急ぐ。
これに対し、Ｌ＆Ｇが各地で開催した説明会では、波会長ら幹部が「内閣府も認めたＮＰＯ法人を持っているから絶対に大丈夫」「波会長は、複数の子会社を抱える『Ｌ＆Ｇグループ』のトップ。資金も豊富」などと強調。「円天市場」と呼ばれる会員限定のバザー会場で扱う食品や家電についても「有名な大学教授が開発した」などと虚偽の説明をしており、約４００万円を出資した千葉県内の主婦（５９）は「高級ホテルに招待され、タレントのコンサートやフランス料理のフルコースを無料で楽しむうちに、すごい会社だと信用してしまった」と話している。