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2007年10月01日(月) 10時04分

セカンドライフでプリティアイドルを探してみたR25

やばい、もう午前3時? 原稿書かなくちゃいけないっていうのに、KABUKIのショーバブでクネクネと踊り狂っているおのれのアバター。

な、何しに来たんだっけ?

──そう、ここはセカンドライフ内。R25.jp編集部から「セカンドライフ(以下SL)でアイドルを探せ」との命を受け、このバーチャル空間にジャックインしたんだった──

右も左もわからないまま、SHIBUYA、UENO、AKIBA等々の有名カフェを、評判のアイドルを求め、夜な夜なさまよい歩くこと1週間。途中、幽霊病院アトラクションや、女性からの脱衣麻雀のお誘いに取材の行く手を阻まれながらも、ええ、探し当てましたよ。

あるカフェオーナーに紹介されたのは、現実の世界(以下RL)でもイズミカワソラの名前でアーティスト活動を行なっている、歌手のSolary Claryさん。こっちではどんな活動をやってるんですか?

「月に2回ほど生ライブをやってるんですが、みなさんけっこう集まってくれます。いつもSIM(SL内での町。ひとつのSIMの定員は60名)いっぱいで、4時間前から待っててくれる方もいるんですよ」(Solaryさん)

SLでの人気が、RLの活動に及ぼす影響も?

「私はあんまりRLでの影響を考えてなくて。SLの中で歌ってるのが楽しいんですよ。だって日本各地の人が歌を聴きに来てくれるんですから」

RLからSLに活動の幅を広げたSolaryさんに対し、SLから音楽と映像を発信するのがパフォーマンスユニット「avenys(アベニーズ)」の二人。UENOのあちこちで新曲のPVや、SL内の洋服屋のCMを見かけたんですが、クオリティ高すぎです。

「基本的に自分たちのイベントに連動した歌や映像を作っています。例えば3月には『原始人現代展』を開催しました。原始人のお洋服を配布したり、ダンスを作ってみんなで踊ったり」(avenysのmisa Noelさん)

ご本人たちはまだ人気を実感するほどではないというものの、やがては「バーチャルからリアルへ発信、進出していきたい」とのこと。

「ネットアイドルと言っても、SLではその実態がさまざまです」とはカフェのカウンターで隣あった事情通。SLでは芸能活動を行っている人だけではなく、優れたアバターの型や洋服、建物などを制作するクリエイターもまた、尊敬や人気を集めるアイドル的存在と言えるのだとか。ふむふむ。

その人気クリエイターのおひとりが、viola Congrejoさん。RLのデザイナー出身の彼女は、SL歴8カ月。人気を集めたきっかけって何ですか?

「まず最初に服飾のお店を始めたんですが、服の人気が出た頃に『これ作れる?』といろいろお声をかけていただけるようになりました。今考えると、服を売ったのではなく、自分の技術を売ったことになるんでしょうね」(violaさん)

イベントで無料アイテムを配布したら、町がパンクしてしまったほど人気の彼女は、今やSLに参入する企業の建築を手がけるなど、仕事の場をほぼSLへと移しているという。それにしても美しいお姿。

「やはり人間って、外見大事でしょ?w 私はデザイナーと名乗る以上、誰が見ても『スゴイ』と言われるアバターにしたかったんです」

大きな瞳に吸い込まれそうです。ポッ。

と、徐々にあいまいになる現実とバーチャルの垣根。

SLでの取材も終盤にさしかかり、迫る原稿の締め切り。そのさなか、なんとかお会いできたのが"第1回セカドルグランプリ"の優勝者であるSae Rosseさん。指定された取材場所は、ジャズが流れる場末のバー。Saeさんがもたれたカウンターには、コワモテの男性が背を向けて座ってらっしゃったりして、なにこの、ハードボイルドな雰囲気?

ともあれ当時50人がエントリーして、人気投票でグランプリが決定したというミスコン。某セレブ姉妹を彷彿とさせるグラマラスなSaeさんですが、やっぱりアバターの美しさで選ばれるもんなんですかね?

「美形だけならお金かければ誰でもなれます」(Kohdai Beckさん)

「あと人望かな…w」(Saeさん)

「それ以上に立ち居振る舞いとか。SLだからこそ、そゆのってあると思うんですよね」(再びKohadaiさん)

ちなみにかたわらに座った男性・Kohdaiさんは、Saeさんの旦那さんなのでした。二人はSLで出会って、RLでもお付き合いしているんです。ゆえに手出しは禁物ですよー。

──ふと気づけば、アイドル探しのはずが、SLにどっぷりハマっていた自分。取材が終わった今もSHIBUYA、KABUKIを徘徊する始末。あなたもSLでお気に入りのアイドルを探してみては? ただし、寝不足危険です。

(R25編集部)

セカンドライフでプリティアイドルを探してみたの詳細情報

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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