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2007年09月28日(金) 15時24分

破産直前、シャガールの絵5点隠す…元社長ら2人逮捕読売新聞

 2005年に破産したコンサルタント会社「ジェスティオン・プリヴェ・ジャポン」(GPJ、本社・東京)の元社長らが破産宣告の直前、同社所有のシャガールの絵画5点(計約2億7400万円相当)を隠したとして、大阪府警西署が元社長・秦右時容疑者(44)ら2人を破産法違反(詐欺破産)容疑で逮捕していたことがわかった。

 同社は資産家から巨額の資金をだまし取ったとして、昨年10月、警視庁に詐欺容疑で摘発されており、秦容疑者は服役中だった。資産隠しには、2人の知人である弁護士が関与した疑いもあり、同署は慎重に捜査している。

 秦容疑者のほかに逮捕されたのは、GPJの出資者だった大阪市都島区、会社役員・平井義三容疑者(46)。

 調べでは、秦容疑者らは05年7月7日、同社が近く破産するのを知りながら、管財人による差し押さえを免れるため、同社が所有するシャガール作の「アルルカンの出発」「ダビデ王」など5点を、東京の同社から大阪市住之江区内のトランクルームに移して隠した疑い。同社はこの13日後、東京地裁で破産宣告を受けた。

 秦容疑者は調べに、「平井容疑者に脅されてやった」と供述しているという。

 同署は8月、別のシャガールの絵画「黒い背景の雄鶏」の売買を巡り、画商を脅した別の恐喝容疑で平井容疑者を逮捕。この絵画について調べたところ、GPJが所有し、同社の破産前に、同じ住之江区内のトランクルームにシャガールの5点と一緒に保管されていたことがわかった。

 秦容疑者らは、同社が所有していた米国の版画家クリスチャン・ラッセンの作品など9点(2億7000万円相当)も破産前にこのトランクルームに保管していた疑いがあり、同署は余罪を追及する。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070928i407.htm