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2007年09月28日(金) 00時00分

いいとこ取り読売新聞

 イチゴのかわりにトマトのスライスを挟んだショートケーキなど、野菜を使ったデザートというのが最近、ちょっとしたブームのようです。スイート&ヘルシーの「いいとこ取り」が人気の理由でしょうね。

 この「いいとこ取り」、英語ではいろいろな表現ができます。

 たとえば、読売新聞の車に関するQ&Aコーナーから。「ハイブリッドカーは、エンジンとモーターの二つの動力を持っています。それぞれの効率の良いところを選び、『いいとこ取り』をしてクルマを走らせるので燃費が良いのです」は、A hybrid car has two power sources; an engine and a motor. It is cheap to run because it uses the most efficient of these two power sources. などとなります。 use the most efficient 〜 で「最も効率の良い部分をいいとこ取りする」という意味です。冒頭のケーキの例なら、 Tomato shortcake is a fashionable desert that takes the sweetest part of vegetables and ordinary cakes.(トマトのショートケーキは、今はやりの野菜と普通のケーキのいいとこ取りデザートだ)はどうでしょう。題材がケーキだから、形容詞の sweet を使ってみました。一方この言葉、必ずしもいい意味にばかり使われるわけではないですよね。

 例えば、「○○とは何年も一緒に仕事をしているけど、いつもあいつがいいとこ取りするんだよな」。これを英語にすると、 I know ○○ always gets the juiciest jobs to do, as I've been working with him for years. などとなります。似た表現で、「あいつはいつもいいとこ取りで、おれは損してばっかりだよ」なら、 He always gets the good stuff and I get the leftovers. などとなります。 leftover は「残り物」の意味です。

 筆者は個人的に、こういう人はあまり見たことがない気がします。そこで、これまでスペインなどで働いたことがある英国人の同僚に、国による違いがあるかを聞いてみました。すると、

 There are always such people, regardless of which country they are from,who always try to take the largest slice of cake. It's a matter of a person's character rather than a difference of nationality.(いいとこ取りしようとする人はどこにでもいるよ。国の違いというより個人の性格の問題だね)とのことでした。なるほど。そういう人の存在に気づかないぶん幸せなのかも?(塚原真美記者)

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/learning/english/20070928us01.htm