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2007年09月28日(金) 03時06分

<脱税>愛知万博の解体会社が2億円 鉄くずなど売却益隠す毎日新聞

 「愛・地球博(愛知万博)」の解体作業を請け負った県内大手の解体工事会社「伊藤建設工業」(本社・名古屋市港区)が、回収した鉄くずなどの売却益を収入から除外して、06年8月期までの3年間で約6億円の所得を隠し、約2億円を脱税したとして、名古屋国税局が同社と同社前社長(62)を法人税法違反(脱税)の疑いで名古屋地検に告発したことが27日分かった。同社は既に修正申告に応じているという。
 関係者によると、同社は05年秋閉幕の愛知万博のパビリオンの解体工事などを受注。現場で出た鉄くずを金属回収業者に売却し、利益を所得として申告しなかったり、経費を水増しして経理操作するなどしたという。
 同国税局が今春に強制調査(査察)に着手していた。隠した所得は前社長が主に遊興費に使っていたといい、前社長は毎日新聞の取材に「すべて私の責任」と話している。
 民間の信用調査会社によると、同社は86年4月設立。06年8月期の売上高は約19億5000万円で県内5位。大手ゼネコンとの取引が多く、大型解体工事で業績を伸ばしている。
 愛知万博のパビリオンなどイベント施設は解体を前提として建設されるため、ビルなどと違いコンクリートがあまり使われず、解体時に鉄骨のまま回収しやすい。鉄くずとしても「良質」と位置づけられ高値取引されるため、関係者は「解体工事業界で大型受注が見込めた目玉イベントだった。万博で収益が急増した解体会社は多いはず」と指摘している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070928-00000017-mai-soci