記事登録
2007年09月26日(水) 09時32分

力士死亡「過度の暴行」で時津風親方ら立件へ…愛知県警読売新聞

 愛知県犬山市の大相撲時津風部屋の宿舎で、序ノ口力士、斉藤俊(たかし)さん(当時17歳)=しこ名・時太山=がけいこ中に急死した問題で、師匠の時津風親方(57)(元小結双津竜)らが過度の暴行を加えていた疑いが強まり、県警は、時津風親方や兄弟子数人を追及し、刑事事件として立件する方針を固めた。

 県警の任意の聴取に対し、時津風親方、兄弟子らはともに、死亡前日に、斉藤さんに暴行を加えたことを認めている。直接的な死因を特定するため、県警は遺体の組織検査をしており、傷害致死や傷害容疑が適用される可能性もある。

 調べによると、斉藤さんは今年6月26日午後0時40分ごろ、犬山市内の成田山名古屋別院内の宿舎で、朝げいこの最後に、兄弟子とぶつかりげいこをしていたところ、急に息が荒くなり、起きあがれなくなった。救急隊が駆け付けた時には心肺停止状態で、同2時10分ごろ、搬送先の病院で死亡が確認された。斉藤さんは午前10時半ごろからけいこをしていた。

 遺体の顔や体に複数の傷やあざが確認されたが、死因は当初、虚血性心疾患とされた。しかし、遺族の希望で行政解剖した新潟大病院からは、「多発性外傷によるショックが死亡につながった可能性がある」との所見が出されていた。

 これまでの調べでは、死亡前日の25日午前、斉藤さんが部屋から逃げ出そうとしたところ、兄弟子らに連れ戻され、親方からビール瓶で額を殴られたほか、兄弟子らから「指導」の名目で数十分にわたって殴る蹴るの暴行を加えられたという。

 斉藤さんは新潟県出身。5月の夏場所で初土俵を踏み、7月の名古屋場所で初めて番付に載ったばかりだった。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20070926it02.htm?from=top