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2007年09月26日(水) 23時15分

<女性客乱暴>元店長に求刑上回る懲役12年 大阪地裁判決毎日新聞

 大阪・ミナミのステーキチェーン店「ペッパーランチ」で女性客を拉致し、乱暴したとして強盗強姦(ごうかん)と逮捕監禁の罪に問われた元店長、北山大輔(25)と元店員、三宅正信(25)の両被告に対する判決が26日、大阪地裁であった。杉田宗久裁判長は「共同強姦行為が単独より違法性が高いことを量刑上考慮すべきだ」と異例の言及をし、北山被告に懲役10年の求刑を上回る懲役12年を言い渡した。三宅被告は求刑通り懲役10年。
 判決によると、両被告は5月9日午前0時20分ごろ、1人で食事に訪れた20代の女性客にスタンガンを押しつけてベルトで緊縛。約5万5000円入りの財布を奪ったうえ、睡眠薬を飲ませて大阪府泉佐野市内のガレージまで車で連れて行き、乱暴した。
 杉田裁判長は「前代未聞の極悪非道な所業。女性の精神的苦痛も極めて大きい」と指弾し、「求刑は軽きに過ぎる」と述べた。強盗強姦罪は行為の際の単独、共同を区別していないが、早稲田大サークルでの集団暴行事件を機に、より罰則の重い集団強姦罪が新設された経緯に言及。「強盗強姦罪でも、立法者の意思を考慮しなければならない」とし、共同強姦行為は罪が重いと判断した。
 杉田裁判長は量刑に社会情勢を反映させることで知られ、これまでにも度々、検察の求刑を上回る判決を出している。
【川辺康広】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070926-00000137-mai-soci