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2007年09月25日(火) 07時50分

遺族の苦しみ支えて 自殺対策 県シンポジウムに130人 和歌山産経新聞

 自殺者の増加を食い止める方法や、残された遺族の支援方法などを考える「わかやま自殺対策シンポジウム」(県主催)が24日、和歌山市の県立医科大学講堂で開かれた。シンポジウムには、母親を自殺でなくした遺族が参加して自らの体験を語り、集まった約130人の聴衆が静かに耳を傾けた。

 全国の自殺者数が9年連続して3万人を超え、県内の自殺者数が年間250人を上回るなど、自殺が深刻な社会問題となっているのを受け、県障害福祉課がシンポジウムを企画した。

 まず内閣府自殺対策推進室の森信仁氏が「自殺総合対策大綱から自死遺族支援を考える」と題して基調講演。続いて遺族の体験が発表され、母親を自殺でなくした大学生の尾角光美さんが壇上へ。自責の念にかられるなど苦しみ抜いた体験を振り返り、周囲の人の自殺によって苦しんでいる遺族との関係を絶やさず、つながりを持ち続けることの大切さを強調。

 青少年の自殺の増加にも触れ「子供が愛される社会は大人が子供に目を向ける余裕のある社会。周囲の人や親が子供を大事にできる社会になってほしい」と訴えた。

 また社会福祉法人和歌山いのちの電話協会の森川勝事務局長ら遺族支援の現場で活動する人々によるシンポジウムや、県臨床心理士会による相談会も行われ、参加者は改めて自死遺族の支援について考察した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070925-00000034-san-l30