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2007年09月22日(土) 03時02分

北海道の「森オーナー制度」、満期93%元本割れ朝日新聞

 北海道の公共林に出資し、収益を受け取る道の「北ぐにの森オーナー制度」をめぐり、満期契約者の93%が元本割れし、3人に1人は6割程度しか回収できなかったことが朝日新聞の調査でわかった。制度は86年度に始まったが、木材価格が下落したにもかかわらず、元本保証しないことをパンフレットに書かないまま募集を継続。集団訴訟の動きがある「緑のオーナー制度」の募集を国がやめた翌年の99年度を最後に、ようやく道も募集をやめていた。

 制度は、道が全額出資した森林整備公社が運営。道有林や市町村有林のトドマツやカラマツ、スギに1口20万円で出資し、数十年の満期後に収益を分け合う仕組みだ。公社は道内60カ所の森林について募集し、1769の個人・団体から約4億1000万円を集めた。

 しかし、輸入木材の増加で国内の木材価格は下落。公社によると、06年度までに満期を迎えた森林19カ所中18カ所で元本割れし、計約750の契約者が出資した1億7740万円のうち、戻ってきたのは4分の3の約1億3500万円にとどまる。3分の1の契約者は、1口11万〜12万円と出資額の5割強〜6割程度しか戻らなかった。

道の担当者は「木材価格がこんなに下がり続けるとは予想しづらかった」「苦情は聞いていない。森林を守る制度に参加した、と理解いただいていると思う」と話す。

http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200709210343.html