記事登録
2007年09月22日(土) 10時08分

ネット中傷弁護士 懲戒 詐欺容疑の告訴相手「刑務所入れたい」 鹿児島県弁護士会西日本新聞

 詐欺容疑での告訴を準備していた相手を、インターネット上で「刑務所にたたき込んでやりたい」などと中傷したとして、鹿児島県弁護士会が同会所属の岡村善郎弁護士(50)=鹿児島市=を戒告の懲戒処分にしたことが21日、分かった。

 同会によると、岡村弁護士は2005年9月2‐17日の間に4回、インターネットの掲示板に自分の名前や職業、連絡先を明記した上で、告訴準備を進めていた住宅リフォーム業者を指して、「是が非でも刑務所にたたき込んでやりたい」「証拠隠滅を図る」「自転車操業詐欺をしている」などの言葉で書き込みをした。

 岡村弁護士によると、工事もせずにこの業者から代金をだまし取られたと訴える相談を受けた。他にも同様の詐欺行為を行った疑いがあると考えて、相談を呼び掛ける目的で書き込んだという。掲示板は、詐欺や悪徳商法の被害情報を広く交換するサイトに開設されていた。

 岡村弁護士は「多くの被害事実を集め、捜査を促すのが目的だった。分かりやすい表現を使ったつもりだったが、今思うと言葉が過ぎた」と話している。岡村弁護士はその後、県警にこの業者の告訴状を提出し、受理された。同弁護士会は「弁護士の名前で中傷すれば、一般の人が確定的な事実だと信じる恐れがあり軽率」と判断。今年4月19日に処分した。

 弁護士会の懲戒処分は、重い順に「除名」「退会命令」「業務停止」「戒告」がある。

=2007/09/22付 西日本新聞朝刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070922-00000001-nnp-l46