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2007年09月22日(土) 21時08分

ネット競売詐欺容疑で男を逮捕 被害総額2億円以上か朝日新聞

 他人のIDやパスワードを利用してインターネットオークション(競売)に参加し、現金をだまし取ったとして、大分や福岡など7県警の合同捜査本部は22日、福岡市中央区春吉3丁目、職業不詳藤本雅也容疑者(32)を詐欺と不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕した。

 詐取した代金の振込先として使っていたインターネット銀行の口座は200弱あった。口座への入金記録などから、被害は大分、福岡、佐賀、宮崎、鹿児島、広島、岐阜の計7県1100件に及び、総額は少なくとも2億1000万円にのぼるとみられる。合同捜査本部は数十人規模のグループによる犯行とみて、全容解明を進める。

 調べでは、藤本容疑者は今年1月19日、他人のIDやパスワードを勝手に使ってインターネットオークションのサイトに不正に接続。軽乗用車を出品する書き込みをして、落札した福岡市中央区の会社員男性(28)から、送料を含む53万7200円をインターネット銀行の口座に振り込ませて詐取した疑い。

 合同捜査本部は1月、藤本容疑者が借りていた大阪市と福岡市の事務所を家宅捜索し、パソコン17台や携帯電話約50台、アルミホイルで作った直径30センチ程度のパラボラアンテナなどを押収した。

 パソコンの通信記録を分析した結果、藤本容疑者が使った他人名義のIDやパスワードは、ネット上に偽サイトを作り、アクセスした人に個人情報を入力させる「フィッシング」の手口で入手していたことも分かった。

 パラボラアンテナは、家庭や事業所のインターネット回線の通信機器(ルーター)から出る微弱な電波をとらえて増幅し、その電波を使って自由にインターネットに接続するために使ったとみて調べている。

http://www.asahi.com/national/update/0922/SEB200709220021.html