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2007年09月22日(土) 23時47分

神戸新聞でシステム障害、京都新聞が代行 題字など変更朝日新聞

 神戸新聞社(神戸市)は22日、紙面制作システムがダウンし、同日付夕刊(約25万6000部)と翌日付朝刊(約56万部)の制作を京都新聞社(京都市)に依頼して発行したことを明らかにした。輪転機などには異常がなく印刷は神戸新聞社で行った。両社は災害などによるシステムダウンに備え、94年1月に「新聞発行援助協定」を結んでおり、同協定に基づく制作依頼は、95年の阪神大震災以来2回目。ダウンの原因は調査中という。

京都新聞社に紙面制作を依頼して発行された神戸新聞社の夕刊(下)。同じ記事が並んでいる

 神戸新聞社などによると、22日午前8時ごろ、記事や写真のレイアウト(割り付け)をしたり見出しをつけたりするシステムが起動しなくなった。復旧の見込みがたたなかったため、同11時すぎ、京都新聞社に紙面制作を要請した。

 紙面の大半は京都新聞社と同じ記事などを使い、題字や広告のほか、1面と社会面の記事の一部を神戸新聞のものに取りかえ、ページ数を通常の12ページから8ページに減らした。京都新聞社で制作した紙面のデータを神戸新聞社に送り、同社で印刷、発送した。印刷終了が大幅に遅れ、配達は最大で3時間ほど遅れたという。

 その後もシステムは復旧せず、神戸新聞社は同日、翌日付朝刊のレイアウトなどの作業にあたる編集局員ら12人を京都新聞社に派遣し、同社の協力で紙面制作した。ページ数は減らすが、神戸新聞の記事の割合は増やすという。

 神戸新聞社広報部の担当者は「阪神大震災で協力してもらって以来、京都新聞社と密な関係を保ってきたことで、今回も何とか夕刊を発行することができた」と話した。

 日本新聞協会が発行する雑誌「新聞技術」によると、災害や事故発生時に紙面制作や印刷代行、輸送支援などをする「相互援助協定」を締結する新聞社は、阪神大震災以降増加しており、同協会の会員社同士では、04年時点で50社以上が協定を結んでいるという。

http://www.asahi.com/national/update/0922/OSK200709220079.html