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2007年09月21日(金) 01時09分

イスラエル「ガザは敵地」 中東和平会議に暗雲朝日新聞

 イスラエル政府は19日の治安閣議で、イスラム過激派ハマスが実効支配し、武装勢力がイスラエルへのロケット弾攻撃を続けるガザを「敵地」と宣言した。そのうえで電力や燃料の供給制限などの新たな制裁を科す方針を決めた。

 これに対してハマス側は「(ガザ住民に対する)集団懲罰は国際法に違反する。ガザへの宣戦布告だ」(報道官)と猛反発。ヨルダン川西岸自治区を支配する穏健派ファタハのアッバス自治政府議長もイスラエルの方針を批判した。

 双方の溝が深まるなか、ブッシュ米大統領が提唱した中東和平国際会議の準備のため現地入りしていたライス米国務長官は19日夜、イスラエルのオルメルト首相と、和平会議の対応などについて3時間にわたり会談した。内容は明らかにされていないが、イスラエル放送によると、米高官は11月に開催が予定される和平会議の見通しについて、「ゼロから完全な合意まで、あらゆる可能性がある」と語り、暗雲が垂れ込めていることを示唆した。

 ライス長官はさらに20日、ヨルダン川西岸ラマラでアッバス議長と会談。共同会見で「会議は中身のあるものになる。記念撮影だけのために招くつもりはない」と強調したのに対し、アッバス議長は、会議参加に難色を示しているサウジアラビアなどを念頭に「数多くのあいまいな事柄を明確にするのが主催者の義務だ。そうすればアラブ諸国も会議に参加するだろう」と米側に注文をつけた。

http://www.asahi.com/international/update/0920/TKY200709200285.html