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2007年09月21日(金) 22時28分

隣家に「死ね」と叫び脅迫15年、容疑の女逮捕 大阪朝日新聞

 「殺すぞ」と叫んだり、金属製のバケツをたたいて大きな音を出したりして近隣の住民を脅したとして、大阪府警吹田署は、吹田市片山町3丁目、主婦井手真知子容疑者(49)を暴力行為法違反(脅迫)の容疑で逮捕、21日に大阪地検に送検した。近隣住民の被害は十数年に及ぶといい、転居した人もいた。井手容疑者は「被害者は私だ」と否認しているという。

 調べでは、井手容疑者は9月2日午後6時ごろ、隣の家の主婦(67)に家の前から「殺すぞ。人をなめやがって、痛い目にあわすぞ」と叫ぶなど、8〜9月に近隣の男女3人を脅した疑い。

 住民らの話では、井手容疑者は約15年前に引っ越してきた。2、3年後から「家を傷つけただろう」と住民をののしるようになり、家の中や玄関前で大声で叫び、鈴を鳴らすなどした。騒音を嫌がり、滋賀県に転居した住民もいた。同容疑者が訴える家の被害は確認されていないという。

 井手容疑者は現在夫と2人暮らし。自宅の周囲には防犯カメラ9台や、人が通ると大音量で鳴るブザーなどが多数取り付けられている。1回に騒ぐ時間は10〜20分だったが、05年に奈良県で隣家に向け大音量で音楽を流すなどした女が傷害容疑で逮捕された後は、1〜2分に短縮された。隣の家の前に水や油のようなものをまくこともあったという。

 住民らは2年前に交番に相談したが、当時は井手容疑者の言葉がそれほど過激ではなかったことなどから捜査には至らなかった。その後「殺す」などと危害を加えるような文言になり、騒ぐ回数も増えたため、今年7月に再度相談。同署は脅迫の様子を録音したテープの提出を受けるなどして、捜査を進めた。

 被害にあった主婦は「近所なので事を荒立てるともっと騒がれそうで我慢していたが、もう限界。四六時中見張られているようで、買い物に行くのも大変だった。ほっとしている」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0921/OSK200709210094.html