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2007年09月20日(木) 17時14分

輸入豚肉で14億円脱税容疑、業者を逮捕 差額関税悪用朝日新聞

 国産養豚業者の保護を目的とする「差額関税制度」を悪用し、輸入豚肉にかかる関税約14億円を脱税したとして、大阪地検特捜部は大阪税関との合同捜査で20日、滋賀県長浜市の食肉卸売会社「大豊(たいほう)」社長、冨義明容疑者(60)を関税法違反(脱税)容疑で逮捕し、会社を家宅捜索した。容疑を認めているという。

 差額関税制度は、豚肉の輸入価格が、国内価格を参考に定める基準価格を下回った場合に、差額分を関税として納めることを義務付けている。

 調べでは、冨容疑者は昨年1〜11月、カナダ産冷凍豚肉計8000トン余りを97回にわたり仕入れる際、輸入価格を実際より1キロあたり平均約175円高く偽って大阪税関に申告し、本来納めるべき関税約14億3000万円を脱税した疑い。

 民間信用調査会社によると、同社は99年設立で業界92位。冨容疑者は90年にも台湾からの豚肉輸入をめぐって同様の手口で関税約1億6000万円を脱税したとして、有罪判決を受けている。

 冨容疑者は逮捕前、取材に「脱税額は2億円程度だ。それ以上は何も言えない」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0920/OSK200709200044.html