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2007年09月17日(月) 06時44分

保育料滞納東北で最悪 保護者割合5.3%読売新聞

身勝手な理由目立つ厚労省全国調査

 2006年度に県内の認可保育園で保育料を滞納した保護者の割合は5・3%(1368人)で、東北6県で最悪となったことが16日、厚生労働省の初めての全国調査でわかった。経済的な理由で納入できないケースがある一方、身勝手な理由で納入を後回しにしているケースも目立つ。状況を好転させる効果的な手立ては見つかっておらず、県も滞納率が高い原因を把握できていない。関係者は「まじめに払っている人が不公平を感じるようではいけないのだが……」と頭を悩ませている。

 調査によると、県内35市町村の滞納額は計1億5000万円。東北6県の滞納率をみると岩手が最も高く、次いで宮城5・2%(777人)、青森4・5%(1201人)、福島4・4%(745人)などとなっている。全国平均は3・7%だった。

 納期までに保育料を納めない保護者に対し、多くの市町村では郵送で督促状を送ったり、電話で催促したりしている。県内の滞納者の3割を占める盛岡市の場合、保育園の協力で、園児の送迎時などに親へ直接、督促状を手渡してもらっている。滞納者を知っているのは園長だけで、職員には一切知らせないなど、プライバシーの保護にも配慮している。

 それでも納めない場合には、親を市役所に呼び出したり、児童福祉課の職員が直接自宅に出向いたりして、負担が小さい分割納付を勧めている。

 ただ、こうして手を尽くしても、「家のローンがあるから」などと、個人的な理由を盾に支払いを拒むケースが後を絶たない。市児童福祉課の宮川文義課長は「保育サービスの対価として支払うものだという意識に欠けている」とあきれる。最終的に支払う意思がないと判断した場合は、不動産や給料の差し押さえなど、強制的な手段に訴えざるを得ないという。

 保育料のほかにも、給食費や学費など、子育てをめぐる料金の滞納は社会問題化している。県はこれまで、保育料について市町村の個別の状況を把握していなかったといい、県児童家庭課の佐藤応子・少子化担当課長は、「他県と比べて滞納率が高いとは思っていなかった。しっかり原因を調べたい」と調査に乗り出す方針だ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news001.htm