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2007年09月16日(日) 05時42分

またエキスポランドで…コースター止まらず2周産経新聞

 大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で15日、宙づり式ジェットコースターが周回を終えホームに戻ってきた後、停止せず2周目に突入、もう1周するトラブルがあった。その後に安全装置が作動して停止し、乗客約10人にけがはなかった。原因は分かっていない。同園では5月、立ち乗り式ジェットコースター「風神雷神II」が脱線し乗客20人が死傷する事故が発生。約3カ月の休園後、「安全宣言」をして8月10日に営業再開したばかりだった。
 問題のコースターは「OROCHI(オロチ)」(高さ43メートル、全長1200メートル)。
 エキスポランド社や乗客の証言によると、15日午後2時ごろ、周回して戻ってきたコースターが通常通りホーム直前で減速。乗客に腰の安全ベルトを外すよう指示する場内アナウンスが流れた。
 しかし、コースターは停止せず、そのまま2周目に突入。再度ホームに戻る直前で安全装置が作動し停止した。同社は、オロチの運行を急遽(きゅうきょ)取りやめた。16日に点検を行い、原因が判明して安全が確認されるまで、運行は再開しない方針。
 オロチは、足がぶらぶらした宙づり状態になるため「インバーテッド(宙づり式)コースター」と呼ばれるタイプで、平成8年3月に運行を開始。同タイプとしては国内最長クラスのコースを、コースターが時速90キロで神話上の大蛇、オロチのように上下左右にうねりながら旋回するため、同園で人気の高いアトラクションの一つ。
 トラブル当時、同園は3連休の初日とあって、にぎわっていた。乗客で大阪府高槻市の男子大学生(22)は「降りる準備を始めたら2周目に入ったので、慌てて安全ベルトを締め直した。エキスポランドが好きで、安全だと信用して乗ったのに本当に腹立たしい」と怒りをあらわに。専門学校生の女性(19)は「死ぬかと思うほど怖かった」と話した。
 エキスポランド社の芝和宏・事業部次長は「オロチを停止するセンサーの誤作動が原因と思われるが、詳しくは分からない。全アトラクションの安全を確認し、営業再開したにもかかわらず、誠に申し訳ない」としている。

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