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2007年09月16日(日) 03時07分

<奈良放火殺人>講談社の担当編集者を参考人聴取 秘密漏示毎日新聞

 奈良県田原本町で昨年6月、母子3人が死亡した当時高校1年の長男(17)による放火殺人事件を巡る秘密漏示事件で奈良地検は15日、長男の供述調書を引用した単行本「僕はパパを殺すことに決めた」の発行元、講談社(東京都)の担当編集者を参考人として任意で事情聴取した。著者の草薙厚子さんは本の中で「奈良県警が残した供述調書を含む捜査資料約3000枚を入手した」と説明。編集者に出版の経緯などを聞いたとみられる。
 同地検は14日、刑法の秘密漏示の疑いで、異例の強制捜査に踏み切った。これまで、殺人などの非行事実で中等少年院送致の処分を受けた長男の精神鑑定をした鑑定医(49)と、草薙さんから任意で事情聴取したが、出版社の編集者から事情を聴いたのは初めて。
 地検は長男の供述調書の流出経緯を調べており、14日には鑑定医の京都市の自宅や勤務先の病院、東京都杉並区の草薙さんの自宅などを家宅捜索した。講談社は同日「今回の強制捜査については甚だ遺憾に思います」というコメントを発表。識者からは「少年事件の公開や公表を検討すべきなのに逆行する」という声もあがっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070916-00000006-mai-soci